知る人ぞ知る状態になってしまっている「Netflix映画の劇場公開」問題を考える

知る人ぞ知る状態になってしまっている「Netflix映画の劇場公開」問題を考える

 先週末の映画動員ランキングは、『ターミネーター:ニュー・フェイト』が引き続き好調を維持し、土日2日間に動員20万5000人、興収3憶円を記録。11月17日(日)までの10日間の累計では動員95万人、興収13億円となっている。トップ10の顔ぶれは8位に初登場した『エンド・オブ・ステイツ』以外は変動なし。今年最大級の爆発的動員が予想される『アナと雪の女王2』の公開(11月22日)直前ということもあって、嵐の前の静けさといったところか。

 今回は、先週末の11月15日(金)から全国の一部劇場で公開されたマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演作『アイリッシュマン』をはじめとする、Netflix映画の日本での劇場公開について考えたい。日本の一般劇場でのNetflix映画の公開は、今年3月9日に公開された『ROMA/ローマ』が先駆け。もっとも、『ROMA/ローマ』の際は「アカデミー賞で監督賞、撮影賞、外国語映画賞を受賞したことを受けて待望の劇場公開が実現」という流れだったが、この秋から冬にかけては日本でも「Netflix配信前の劇場公開」という、北米で『ROMA/ローマ』や『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』が劇場公開された際にとられた方法が踏襲されている。これは、とても重要な新展開と見るべきだろう。

 既に公開済みの作品も含め、この秋から冬にかけて日本の劇場で公開される運びとなったNetflixの映画作品は7作品。デヴィッド・ミショッド監督&ティモシー・シャラメ主演作『キング』(10月25日公開、Netflixで配信中)、EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE小林直己出演作『アースクエイクバード』(11月8日公開、Netflixで配信中)、『アイリッシュマン』(11月15日公開、11月27日からNetflixで配信)、カンヌ映画祭批評家週間でグランプリを受賞したフランスのアニメーション作品『失くした体』(11月22日公開、11月29日からNetflixで配信)、ノア・バームバック監督&スカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライバー主演作『マリッジ・ストーリー』(11月29日公開、12月6日からNetflixで配信)、フェルナンド・メイレレス監督&アンソニー・ホプキンス&ジョナサン・プライス主演作『2人のローマ教皇』(12月13日公開、12月20日からNetflixで配信)と、いずれも通常の劇場公開作品のようにプロモーションがおこなわれれば、話題になりそうな作品ばかりだ。中でも『アイリッシュマン』と『マリッジ・ストーリー』の2作品は、来年のアカデミー賞で主要賞にからんでくることも予想されている。

 しかし、先週末公開された『アイリッシュマン』の公開規模は全国27都市63劇場という限定されたもの。動員ランキングのトップ10はもちろんのこと、興行通信社が発表しているミニシアターランキングにもランクインしていない。11月20日時点での東京都内での上映館はアップリンク吉祥寺、アップリンク渋谷、イオンシネマ板橋、シネ・リーブル池袋の4館のみ。ちなみにシネ・リーブル池袋ではお昼に1日1回のみの上映だ。Netflixオリジナル映画の劇場公開がこのような限定的なかたちになるのは、現状、配給会社を通さずNetflixと各劇場が直接やりとりをしているため。結果として、公開できるのは独立系の劇場や、イオンシネマを運営するイオンエンターテイメントのような独立系の映画興行会社に限られることになる。

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