『グランメゾン東京』玉森裕太を巡る戦い勃発!? 日曜劇場に再登場、吉谷彩子×朝倉あきに注目!

『グランメゾン東京』若手女子2人に注目!

 一方朝倉あきは、NHKの連続テレビ小説『てっぱん』や『純と愛』、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』や『おんな城主 直虎』、『十津川警部シリーズ』(TBS系)など様々なドラマに出演。『深夜食堂2』(TBS系)第16話のキャバクラで働く就活生役や、『孤独のグルメ』第1シリーズ(テレビ東京) 第9話の逃亡する劇団の看板女優役では、単発ながらもその回の重要な役を任せられることが多く、人の繊細な感情を、時に熱く、時に静かに表現し、視聴者の心に残る演技を見せた。『下町ロケット』の加納アキ役では、技術開発部の紅一点として明るくチームを支えるムードメーカー的存在として活躍した。地道にキャリアを積んでおり、多数のドラマに出演、そして映画『四月の永い夢』『21世紀の女の子』の一編「Mirror」では主役をはる実力をもっている。

 最近では『歌舞伎町弁護人 凜花』(BSテレビ東京)で民放連ドラ初主演を果たし、喜怒哀楽が激しい弁護士役、そして毎回恒例のセクシーなマッサージシーンなど今までにないキャラクターを演じ、一方現在放送中の『ひとりキャンプで食って寝る』(テレビ東京系)では、夏帆とともに自然体でキャンプに興じるなど、演じる役の幅の広さを見せている。

 そんな朝倉が今回演じるのは、平古のブッフェレストランがあるホテルのコンシェルジュであり、平古の婚約者、都議会議員・蛯名西堂(岩下尚史)の一人娘でもある蛯名美優。公式ページには「温室育ちのお嬢様で、大人しいほんわかした性格」と紹介されているが、第3話の終盤、平古と松井が厨房で尾花のジビエ料理を食べている様子を、ストーカーのように遠くから恨めしく見つめる姿が。松井がロッカーを開けようとすると、貼られていた画鋲で傷を負ってしまうシーンがあるが、おそらく嫉妬心が芽生えた美優の犯行と予想される。このドラマの流れの中で唐突すぎるサイコキャラ化とまさかの実行力に、今後どんな行動に出るのか、予想のつかない存在だ。

 美優の怖いところは父親の存在。銀行が貸し渋っていたグラメゾン東京への融資を、平古のためならと父親の力を利用し融資する流れとなった。しかし、これが松井や平古への復讐のために使われる可能性も否定できない。平古がグランメゾン東京に引き抜かれた際に、職場が離れる美優の怒りが頂点に達した時が、グランメゾン東京最大のピンチを迎える時かもしれない。それを考えると、最強の味方であり、最大の敵にもなる美優は、間違いなくこのドラマのキーパーソンだ。しかし朝倉の静かなサイコキャラの演技が実に新鮮で怖く、もっと過激に面白くなっていけば、『カルテット』(TBS系)の吉岡里帆のようにその特異なキャラクターがブレイクする可能性も十分にある。

 ここ最近の日曜劇場は、日曜劇場常連俳優たちが手を替え品を替えキャスティングされるのも特徴で、今作も尾上菊之助や手塚とおる、 石丸幹二といった常連の曲者俳優たちが出演し、この枠でしか味わえない雰囲気で物語を面白くしている。日曜劇場常連俳優たちは確かな実力が認められた俳優ばかりだが、吉谷と朝倉も改めてその引き出しの多い演技力を今回見せている。平古を中心とした三角関係は動画配信サービス・Paraviにてスピンオフドラマ『グラグラメゾン・東京 ~平古祥平の揺れる思い~』で、毎週おもしろおかしく描かれ、本編では観られない彼らの演技がじっくり観られる。このドラマのメインストーリーはレストランに夢をかける大人たちの青春物語だが、若手たちの人間模様もドラマのスパイスとして注目していきたい。

※『グラグラメゾン・東京 ~平古祥平の揺れる思い~』の「・」はハートマークが正式表記。

(文=本手)

■放送情報
日曜劇場『グランメゾン東京』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送中
出演:木村拓哉、鈴木京香、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、尾上菊之助、及川光博、 沢村一樹
脚本:黒岩勉
プロデュース:伊與田英徳、東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/

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