『マチネの終わりに』、鈍い出足 2019年は大人向け日本映画の「受難の年」?

2019年は大人向け日本映画「受難の年」?

 今週末には、佐藤健、松岡茉優、鈴木亮平、田中裕子らの名演が刻まれた白石和彌監督の秀作『ひとよ』の公開も控えている。この秋のメジャー作品、あるいはそれに準ずる規模で公開される作品を観れば、監督、役者ともに、現在の日本映画界に優れた人材が豊富にいると改めて痛感させられる。それが動員につながらなくなってきているとしたら、問題はどこにあるのか。作品のテーマ選び? 地上波テレビを中心に据えた旧態依然とした作品のプロモーションの仕方? 映画業界の構造そのもの? あるいは観客の質? いずれも大きなテーマではあるが、引き続き考えていきたい。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『マチネの終わりに』
全国東宝系にて公開中
出演:福山雅治、石田ゆり子、伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行
監督:西谷弘
原作:平野啓一郎『マチネの終わりに』
脚本:井上由美子
音楽:菅野祐悟
製作:フジテレビジョン、アミューズ、東宝、コルク
制作プロダクション:角川大映スタジオ
配給:東宝
(c)2019 フジテレビジョン アミューズ 東宝 コルク
公式サイト:matinee-movie.jp
公式サイト:@movie_matinee

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