岩田剛典が語る、『シャーロック』で挑む新たなワトソン像 「脚本から湧くイメージを働かせて」

岩田剛典が語る、新たなワトソン像への挑戦

「今、現場がすごく楽しい」

ーー新たなシャーロックとのバディ感を作っていくということですね。

岩田:シャーロックがこのストーリーをかき回す主人公であり、そこに対してワトソンは振り回されつつツッコミを入れるようなポジションなのかなと。リハーサルでディーンさんと合わせてやらせていただいたんですけれど、そこですごくキャラクターを掴めたので、少し骨太なストーリーですけれど、その中にキャラクターのチャーミングさや軽快な掛け合いを混ぜて、クスッと笑えるような作風になるのかなと思っています。

ーーチャーミングさというところはどのような?

岩田:第1話を見ると、若宮は基本的に能動的に動くタイプではない人間なんです。なのでとにかく振り回される。リアクションばっかりしているので、表情豊かなキャラになっています。ある意味視聴者の方が、感情移入しやすいのが若宮であり、モノローグは全部若宮の声で進んでいくので、一番“普通の人”でないといけない。その振り回されている感じに笑ってもらえたらいいなと思います。僕としてもそういう部分も意識しながら、大げさにやっていたり、いろいろ試しながら監督と相談して演じています。

ーーディーン・フジオカさん演じるシャーロックの魅力を教えてください。

岩田:シャーロックは、マイペースで頭が切れて、人の2歩3歩どころか、10歩くらい先を歩いている人です。それでいて、頭が良すぎるせいで天然に見えるようなキャラクターだと思います。そういう天然なシャーロックをディーンさんが演じるのはすごく魅力的だなと思うんです。僕の印象ですけれど、ディーンさんはすごく品があって凛としているイメージで、お話していても素敵な方だなと感じます。そんな方がちょっとすっとぼけていて、天然ボケなところもあって、そこに対して僕が食い気味でツッコミを入れていく感じなので、バディ感がより強まっていくとドラマも楽しくなるかなという実感はあります。

ーー岩田さんは、本作が月9初出演になります。

岩田:僕の連ドラデビュー作がフジテレビの『ディア・シスター』(2014年)で、今回その時と同じスタジオを使っているんです。前室の雰囲気も変わっておらず、再び帰ってきたのが、月9で『シャーロック』でワトソンを演じて、と2周くらいしてきたような気持ちがあります。すごく嬉しい気持ちはありますけれど、それだけ多くの方が見る枠でもあるので、楽しめたら一番いいなと思っています。客観的に考えすぎて楽しくなくなっちゃうのが一番もったいないので、チャンスをいただいたからには、昔はできなかったことに挑戦していきたいです。

ーー昔はできなかったというのは?

岩田:表現力ということだと思うんですが、演技の経験を重ねてきて、想像できるようになってきた部分があります。「このシーンは多分こう動くんだろうな」、「こういう感じなんだろうな」と、台本を読んで想像ができるようになってきた自分がいるので、それを思いっきりの大舞台でチャレンジさせていただいています。

ーーなぜ想像できるようになったのでしょう。

岩田:台本を読み込むことかもしれないですね。例えば「わかった」というセリフがあっても、昔だと、そのまんま読んで喋って、監督に指摘を受けて、説明を受けてあらためてその言葉が物語において果たす役割を考えていた。今は色々なパターンを思い浮かべながら現場に入れます。5年前とは大違いですよね。今、現場がすごく楽しいんです。段取りで色々やって、違うこともあればハマることもあるし、余裕はないんですけれど、現場での遊びみたいなことも第1話から試せています。

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