『水曜どうでしょう』はなぜ伝説の番組になったのか 人間性を惜しげもなく晒し続ける大泉洋の存在

『水曜どうでしょう』なぜ伝説の番組に

 現在、大泉洋は誰もが知る、日本を代表する俳優のひとりになったし、それは誇張でもなんでもない。通常であれば、知名度や地位があがるとともに、過去の映像が封印されたり、そこまでではなくとも、あまり積極的に放送することをよしと思わないなどのことが起こっても不思議ではないのに、今でもこうした伝説の回を見て大笑いできる。それは、大泉洋が、誰もが知る俳優となった今でも昔もまったく変わらず、テレビバラエティに出れば、出演者に翻弄されたり、素直にぼやいたりしていることと無関係ではないだろう。

 『水曜どうでしょう』は、過酷な旅の中で、その人の人間性が露わになる。喧嘩めいた空気にもなるし、泥仕合なることもあって、それでもなんとか男4人が旅を続けようとする姿がそのままに記録されていた。そんな人間性をすべて晒してなお、面白がられ愛されてきた人は強いなと思うし、ここまで晒してきたからこそ、今も変わらずにいられるのかなとも思えてくる。

 『水曜どうでしょう』は、2013年の「初めてのアフリカ」以来6年間、新シリーズは撮影されていなかった。この「初めてのアフリカ」のロケの時点で大泉は『探偵はBARにいる2』の宣伝時期であり、大ヒットエッセイの『大泉エッセイ 僕が綴った16年』が発売された頃であり、こうした企画は、大忙しの人気者となった現在、なかなか難しいのではないかとも思われていた。その間も、番組では、さまざまなイベントなどを開催して、ファンの期待を裏切らない活動を見ていたが、こうして2019年に新シリーズが見られることは、あたりまえであってほしい気持ちももちろんあるが、“奇跡”のようにも思える。今回の新シリーズでは、はたしてどんな姿をさらけ出してくれるのだろうか。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■イベント情報
『水曜どうでしょう祭 FESTIVAL in SAPPORO 2019 ライブ・ビューイング』
10月6日(日)17:00開演
実施劇場:https://liveviewing.jp/matsuri-dodesyo/
水曜どうでしょう祭FESTIVAL in SAPPORO 2019 ライブ・ビューイング情報サイト:https://liveviewing.jp/matsuri-dodesyo/
水曜どうでしょう祭FESTIVAL in SAPPORO 2019公式サイト:https://matsuri-dodesyo.com/
主催:北海道テレビ放送株式会社
企画・制作協力:株式会社クリエイティブオフィスキュー
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン

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