仲野太賀が語る、『いだてん』出演までの緻密な努力 「参加できる喜びは一味違う」

仲野太賀の『いだてん』出演までの努力

「これは強烈な縁」

ーー小松勝という役はどんな役ですか?

仲野:『いだてん』という作品の2つの時代を繋ぐキーになる役なので、とても重要な役だと感じています。僕は第32回から登場していますが、1回から32回までをスタッフやキャストの皆さんが必死の思いで物語を進めてくださっていたので、僕が演じる勝は下手なことはできないなと思いました。

ーー以前、勝地涼さんから「太賀と(中村)七之助さんと勘九郎さんと共演することを誓い合った」と聞きました。

仲野:勝地さんとNHKのドラマ『1942年のプレイボール』で共演していた時に、勝地さんが勘九郎さんや七之助さんと親交があったので、「平成中村座を見に行こう」と誘ってくださったんです。勘九郎さんを見たことがなかったですし、勘九郎さんといえば『いだてん』! とビビッときたので当時は興奮しながら見に行きました。その後『いだてん』の脚本をいただいたら、まさかの勘九郎さん、勝地さんと僕の共演シーンがあったので「これは強烈な縁だな!」と驚きましたね。七之助さんとも森山未來さんと3人で共演するシーンがあって、贅沢な3人だけの空間ですごく濃密な時間でした。『いだてん』的には 志ん生(森山未來)と圓生(中村七之助)と勝が一緒にいるという歴史的瞬間だし、あとに繋がるシーンなので大事に演じました。

 

ーー勝にとって金栗四三はどんな存在ですか?

仲野:勝からしたら金栗四三はヒーローでもあり、心の父でもあり、師なんだと思います。劇中で四三がオリンピックで着ていた日本代表のユニフォームも、勝は自分で作って着ているという設定なんです。勝は14歳くらいの年齢から登場しますけど、もっと前から、四三は勝にとってヒーローだったのではないかと思っています。勝は、憧れの先輩を前に浮かれているというタイプではなくて、同じランナーとして、先生にさえも負けたくないという強い思いを持っているやつだと感じています。一緒に走るシーンでは、四三に先に行かれていたら追い越して、また追い越されたら追い越して、というせめぎ合いが楽しさでもあったし、師弟の形だなと感じました。

(取材・文=Nana Numoto)

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎、綾瀬はるか、桐谷健太、杉咲花、仲野太賀、柄本佑、森山未來、神木隆之介、峯田和伸、荒川良々、川栄李奈、柄本時生、夏帆、坂井真紀、池波志乃、小泉今日子、星野源、松坂桃李、松重豊、永山絢斗、中村七之助、杉本哲太、リリー・フランキー、三宅弘城、古舘寛治、塚本晋也
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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