鈴木愛理が語る、久しぶりの演技の仕事で感じた大きな変化 「良くも悪くも全部自分の責任」

鈴木愛理が語る、久しぶりの演技で感じたこと

「怖いもの知らずの姿勢で、何にでも挑戦したい」

ーー内田監督から何か指示はあったりしたんですか?

鈴木:「アーティストとしての活動は自分を出す仕事だから、自分を出すのはうまいんだろうけど、役者として活動する時、特に今回は鈴木愛理のキラキラ感を消してください」って言われたんです。

ーー“鈴木愛理”を消すことが必要だと。

鈴木:それで、「自分を消す練習を毎日やってください」って言われたんですけど、自分ではキラキラ感が出てるのかもわからないですし、すごく難しくて。ひたすら寝る直前に「私は地味だ。私はキラキラしてない。私は吉村美月だ」って言いながら眠りについていました(笑)。第5話で泣くシーンがありましたが、あれも「もっと汚く泣いて」と言われて、結局3回くらいやったんです。自分の中ではきれいに泣いているイメージは全然ないのに、やっぱりどこかで潜在的に、人に見られながら泣くことを意識していたのかなと感じましたね。あのシーンは一番苦戦したシーンでした。ムロさんにも付き合ってもらって申し訳なかったなと……。

ーー鈴木さんはもともとムロさんのファンだったそうですね。

鈴木:そうなんですよ。お会いしたのも今回が初めてで。お仕事なのでファン感を消して現場に入ったんですけど、ムロさんが出演されていた『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)の話を私がラジオでし過ぎていて、普通にバレてました(笑)。ムロさん本人から「観てくれてありがとう」と言われて、変な感じになっちゃいましたね(笑)。

ーームロさんの魅力はどこにあると思いますか?

鈴木:ムロさんは、こんな未熟者である私のセリフのバトンもしっかりと受け止めてくださって、本当に助けられてばかりだったんです。それに、現場での役者としての気遣いを勉強させていただきました。めちゃくちゃ忙しいのに、撮影の合間を縫って「宣告社チームで仲良くなろう」ってご飯に連れて行ってくれたり……。すごく楽しかったですし、ムロさんの姿勢からは本当にいろいろ学ぶことができました。

ーー°C-ute解散から2年が経ちますが、ソロデビューや今回の連ドラ出演など、新たなフィールドで活躍する中で、ご自身の中で何か変化を感じることはありますか?

鈴木:すごく不思議なもので、ハロー!プロジェクトに在籍していた23歳までは、学業も両立しながらアイドル活動をやっていたので、“ハロプロ=人格形成の場”でした。「鈴木愛理はすべてハロプロで作られました」という感じで、ありがたいことに、すごく守られたところで活動をさせていただいていたんです。ですが、1人になってからは、音楽の世界ってまだこんなに知らないことがいっぱいあったんだという広さを感じたり、1人になったことで、自分で足を運んで吸収しに行くことも増えたりしました。ライブや舞台もそうなんですけど、一度得たご縁を大事に、自分から何かを探しに行くことが増えたという実感はすごくあります。なので、また何か違う仕事を始めた感覚があるんですよね。

ーー1人になったことで大きな変化に直面したと。

鈴木:去年ソロデビューして、そこから1年ちょっとでたくさんのことを経験させていただく中で、良くも悪くも全部自分の責任になるんだということを実感しました。この1年は、まだまだ人生甘くないというか、まだまだやれることがいっぱいあることに気づいて、貪欲な気持ちが湧くことが多い1年でした。なので、ここから先も何が起こるかわからないことが楽しみです。「そんなことできるわけないじゃん」って言われることをすごくやりたくて。

ーーそれは具体的にどういうことですか?

鈴木:ライブの演出も自分で考えさせてもらっているんですけど、打ち合わせとかで、「それはできないよ!」みたいなわがままをたくさん言わせていただきながら、最終的にかたちにしていくんです。「みんなが『できない』っていうことは、誰も見たことがないって意味だ」と考えるポジティブシンキングな人間なので、そういう気持ちは大事にしていきたいです。何かひとつのことを成し遂げると、また目標ができて……っていうことの繰り返しが大切なのかなと。23歳まで、15年間アイドルをやって、自分の中ではそこで“第1の人生”が終わっているような感覚なんですよね。転換期というか、ターニングポイントは、間違いなく°C-ute解散のタイミングなんです。今は“第2の人生”という感じなので、怖いもの知らずの姿勢で、何にでも挑戦したい気持ちがすごく強いです。

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