山口智子との7年越しの再会を果たす 『なつぞら』亜矢美の次なる夢は?

『なつぞら』山口智子と再会

 マコプロでのなつは、さっそく新作のキャラクター作成に取り掛かる。なつは、ソラという役を作り出すのに苦戦していた。描いてから一久(中川大志)に見せるも、「可愛らしさがない」と一蹴されてしまう。それはまるで、『神をつかんだ少年クリフ』を制作していた頃の二人を見ているようだった。しかし今回は、マコプロのみんながそれぞれで意見を出し合う。そして一久も「日常的な人間の表情を捉えたい」「人間が生活する上での細かい心の動きを大切に感じさせたい」と話すなど、具体的な自身の考えを伝えるのであった。

 かつてなら言葉にできないことが山ほどあったであろう一久が、こうしてなつに具体的な指示を出すことで、年月の経過と一久の成長が感じられた。最終的には「ソラの戸惑いや期待感を描いて欲しい」「表情からソラを捉えろ」となつに期待を込めてフィードバックするのであった。

 それでも戸惑い、ソラのキャラクターに悩むなつであったが、そこで下山(川島明)がアドバイスとして、十勝で優(増田光桜)を描いたスケッチブックを渡す。それがなつにはとても大きな力になった。なつは「忘れてました、こういう気持ちを」と話し、さっそく「やってみよう」と前向きになるのであった。

 亜矢美との再会や、新たなアニメーションの制作で思い出すのは、風車での日々と『神をつかんだ少年クリフ』に捧げた日々だ。奇しくもマコプロには当時の制作メンバーがずらりといる。しかし今回の作品は、以前とは違う。一久の口ぶりや、仲間たちの頼もしいアドバイスは、なつたちの新作に期待を抱かせた。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、岡田将生、比嘉愛未、安田顕、仙道敦子、中川大志、染谷将太、川島明、藤本沙紀、増田光桜、嶺岸煌桜、貫地谷しほり、山口智子、高畑淳子 ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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