『かぐや様は告らせたい』初登場1位 平野紫耀&橋本環奈が実証したヒットの方程式

平野紫耀&橋本環奈が実証したヒットの公式

 先週末の動員ランキングは、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』が土日2日間で動員25万5000人、興収3億1500万円をあげて初登場1位に。初日から3日間の累計でも動員36万人、興収4億6000万円と、近年のティーンムービーでは一歩抜きん出る好成績を収めた。今年に入ってから『翔んで埼玉』のサプライズヒットはあったものの、10代の観客から支持されている若手俳優が集まった作品という意味での純然たる「ティーンムービー」が動員ランキングで首位になったのは、1年以上前の『銀魂2 掟は破るためにこそある』以来。同作でもヒロインを務めていた橋本環奈は、今やその世代を代表するコメディエンヌと言っていい。

 もちろん、2018年3月公開の『honey』、同年11月公開の『ういらぶ。』、そして今作と、作品を重ねるごとに公開の規模が着実に大きくなっていて、その期待に応え続けている主演の平野紫耀(King & Prince)のスター俳優としての成長もヒットの大きな要因だろう。ちなみに、これまでの平野紫耀主演作はすべてコミック原作にして、いわゆるラブコメ作品。今回の『かぐや様は告らせたい』の原作は少年誌に連載中で(現在は週刊ヤングジャンプで連載中)、必ずしも女性向けの作品というわけではなく、彼が演じている主人公も理想化された王子様的キャラクターとは一味違う役なのだが、観客の中心層が10代の女性であることは変わらない。

 約2年前まで、より正確に言うと2017年上半期まで、日本映画界はティーンムービー・ブームと言っていい状況だった。それは、各作品がたくさんの観客を集めていたという意味での「ブーム」ではなく、すべてのメジャー系映画会社がこぞって収益率の高い(製作費が安い)ティーンムービーを乱造していたという、製作数における「ブーム」だった。世代的に観客の母数が限られていたティーンムービーは、ある時期までは原作の選択とキャスティングを間違えず、競合作品の少ないタイミングで公開すれば安定した成績を収めることができたが(つまり、はっきり言って監督や脚本は誰でもよかった)、作品数が増えるにつれて観客が分散して、多くの作品が興行的に苦戦するようになった。

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