『監察医 朝顔』家族の食事を通して向き合う“生きること” 上野樹里は悲劇にどう立ち向かう?

『朝顔』上野樹里は悲劇にどう立ち向かう?

 自然と話題は、2011年3月11日に。ご飯も食べずに必死で里子(石田ひかり)を捜し続ける平と朝顔に、浩之(柄本明)が差し出したのがおにぎりだった。「食べなきゃ。食べなきゃ」という平の言葉は、生きることに向き合うという、人間が最も忘れてしまいそうになることに、改めて気づかされる。

 カレーの美味しさに改めて当時の思いを呼び起こした平は朝顔に「生きてさえいてくれればそれでいい」と話し、自信を失っていた朝顔は「自分ができるところまで、やれるところまでやってみる」と再び遺体と向き合う決心を固める。その話をじっと階段でつぐみを膝に抱きながら聞いていたのが桑原。つぐみから「泣いてるの?」と聞かれ、「パパはね、もう泣かないって決めたの」と答える桑原から、2人と同じく一歩ずつ進んでいることが伝わってくる。

 第10話では、朝顔と同じく、平も捜査への参加を直訴し、今回の案件に違和感を抱く丸屋(杉本哲太)とともに改めて実況見分に向かう。再解剖の末に、見えた答えとは。そして、最後の事件も始動する。桑原は、県警本部がマークしていた建設会社に関わりがあるらしい刺殺事件を追うことに。予告では「最後にして最大の悲劇」というテロップと共に、雨の中土砂の近くで後ろを振り向く桑原の姿が。朝顔たちにとって、また悲しい出来事が一つ増えてしまうのだろうか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『監察医 朝顔』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00〜放送
出演:上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES/ジャニーズJr.)、坂ノ上茜、喜多乃 愛、宮本茉由、戸次重幸、平岩紙、三宅弘城、板尾創路、柄本明ほか
原作:香川まさひと
漫画:木村直巳
監修:佐藤喜宣『監察医 朝顔』(実業之日本社)
脚本:根本ノンジ
法医学監修:上村公一(東京医科歯科大学)
プロデュース:金城綾香
演出:平野眞、澤田鎌作
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/asagao/

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