松たか子の毒舌もさらに炸裂 『ノーサイド・ゲーム』大谷亮平はアストロズを救うのか?

『ノーサイド・ゲーム』松たか子の毒舌語録

 第1話に続いて、第2話でも至るところで男たちのぶつかり合いが繰り広げられた。強化方針をめぐって衝突する君嶋と柴門の姿からは、本気で勝利を追求する熱意が伝わってきた。打算と利害に満ちたビジネスの駆け引きと異なる、正面から全力で挑む信念とプライドがノーサイドの精神には込められているのだ。

 妻・真希(松たか子)の「ため息するぐらいなら呼吸しないで」、「あなたの好き嫌いには毛ほども興味ない」という厳しすぎる愛のムチに耐えながら、いじめを受けていた長男・博人(市川右近)と向き合う君嶋。博人のタックルを受け止めながら、自分以外へのいじめに見て見ぬふりをするのはラグビーではないと話す。ノーサイドの精神が子どもにもちゃんと伝わっているのがうれしい。スポーツを通じた親子の交流は、第3話以降の伏線になっていく。

 主演の大泉洋も舞台あいさつで話していたように、第2話を終えた時点ですでに画面から伝わる熱量が半端ない『ノーサイド・ゲーム』。笑える要素もあるが、それを上回る真剣さがストーリーからほとばしる、近年まれに見る“熱い”作品となった。そこには、元日本代表の廣瀬俊朗たちラグビー経験者が多く出演していることも関係しているだろう。

 勝利を知る名将を得て、いよいよ本格的に挑戦を開始したアストロズ。しかし、チームの内外には課題が山積している。常務の滝川(上川隆也)が進める合併案件の行方も気にかかるところだ。企業スポーツの課題と正面から対峙しながら、勝利を目指す君嶋と仲間たちの奮闘に期待したい。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログtwitter

■放送情報
日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』
TBS系にて、7月7日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:大泉洋、松たか子、高橋光臣、笹本玲奈、天野義久、廣瀬俊朗、齊藤祐也、林家たま平、コージ(ブリリアン)、佳久創、村田琳、笠原ゴーフォワード、大谷亮平、中村芝翫、上川隆也
原作:池井戸潤『ノーサイド』
脚本:丑尾健太郎ほか
演出:福澤克雄ほか
プロデューサー:伊與田英徳ほか
製作著作:TBS
(c)TBS

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