『ストロベリーナイト・サーガ』菊田を演じる亀梨和也の“静”の演技 最終章での変化も期待?

 また、6月6日放送の第9話。解散の日の帰り際、姫川と分かれるシーンでは「お世話になりました」とだけ告げて菊田は去る。その表情は姫川への想いを閉じ込めたような切ない複雑な気持ちが浮かび上がっていた。全編を通して、菊田が自分の気持ちをさらけ出すことなく抑えてしまうシーンは多々見られる。同作において、亀梨はセリフではなく所作や表情で気持ちを表現する演技を多分に行っているのである。しかし、同話の中で殉職した大塚真二(ジャニーズWEST・重岡大毅)のノートを握りしめて涙する姫川を見た時に、「この人を支えていこう」と決心したと伝え、その流れで菊田が「牧田にあって俺にないものってなんですか?」と姫川に詰め寄るシーンも。珍しく菊田が感情的に話をする場面だ。少しずつだが感情を言葉にすることが多くなってきた菊田。こうった変化も、同作のお楽しみのひとつだろう。

 ストーリーの中で、決して目立つ存在ではない菊田。しかし、言葉ではない演技で主人公を支える亀梨は確かな存在感を放っている。これまで数々の作品で経験を積み、年齢を重ねたことで、より幅広い演技を見せてくれるようになった。13日からは最終章が放送される。その中で、亀梨はどんな演技を見せてくれるのだろうか。そして、この先も多様なストーリー、役柄、作風の中で変化していく亀梨の演技を見るのが楽しみになった。 

(文=高橋梓)

■放送情報
『ストロベリーナイト・サーガ』
フジテレビ系にて毎週(木)22時〜放送
出演:二階堂ふみ、亀梨和也、葉山奨之、宍戸開、中林大樹、重岡大毅(ジャニーズWEST)、今野浩喜、菊池桃子(特別出演)、伊武雅刀、山口馬木也、岡田浩暉、江口洋介ほか
原作:誉田哲也「姫川玲子シリーズ」(光文社刊)
脚本:徳永友一、ひかわかよ、関えり香
編成企画:渡辺恒也
プロデュース:山崎淳子
演出:石川淳一、山内大典
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/strawberrynight/

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