『アラジン』特大ヒット 音楽の力がもたらす「ビガー・イン・ジャパン」現象

『アラジン』特大ヒット 音楽の力がもたらす「ビガー・イン・ジャパン」現象

 そういう意味で、注目されるのは全米で7月19日、日本でも夏休みのど真ん中の8月9日という、例年大ヒット作品が生まれやすい興行のピーク期に公開されるディズニーの次の「古典アニメ作品の実写化」(正確には、本作の場合フルCG化)である『ライオン・キング』だ。『アラジン』に比べると作品の中で「音楽」が担う役割はそこまで多くない作品ではあるが、本国では、主人公のシンバの声をドナルド・グローヴァー(=チャイルディッシュ・ガンビーノ)が、そのガールフレンドの声をビヨンセが演じることが大きなトピックの一つ。(そもそも吹替が興行のメインとなる)日本ではそれがまったく宣伝効果をもたらさないわけで、もちろん日本のディズニーも音楽面におけるローカリゼーションを周到おこなうだろうが、『アラジン』とは題材のポテンシャル以上に大きな興収の差が出るかもしれない。

 『ライオン・キング』が公開される8月9日といえば、『アラジン』公開からたったの2か月後。興収100億円を超えるようなディズニーの大ヒット作の場合、通常ならばまだまだ客足が途絶えることのないタイミングだ。『アラジン』の最終興収を左右するのは同じディズニーの『ライオン・キング』、という皮肉な状況が生まれるのではないか?

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『アラジン』
全国公開中
監督:ガイ・リッチー
脚本:ジョン・オーガスト、ガイ・リッチー
音楽:アラン・メンケン
出演:メナ・マスード、ナオミ・スコット、ウィル・スミス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/aladdin.html

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