日本と中国で大ヒット、アメリカで苦戦 ハリウッド版『ゴジラ』最新作の興行を読む

日本と中国で大ヒット、アメリカで苦戦 ハリウッド版『ゴジラ』最新作の興行を読む

 中国と日本で当たって、アメリカで苦戦している今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。それが、今後のモンスターバース・シリーズの方向性にどのような影響をもたらすのかはまだわからない。そもそも、製作のレジェンダリー・ピクチャーズは2016年、つまり『GODZILLA ゴジラ』と『キングコング:髑髏島の巨神』の間に中国の大連万達グループに買収されていて、中国マーケットへの配慮は既に織り込み済みとも言える(今作に中国の国民的女優チャン・ツィイーが起用されているのも、それが一つの背景)。

 日本発コンテンツ、レジェンダリー・ピクチャーズ製作、日本での配給は東宝という、今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の座組は、なにも「ゴジラ」だけではなく、つい最近の作品では『名探偵ピカチュウ』もまったく同じだ。日本の観客には「『ポケモン』や『ゴジラ』がハリウッドで映画化」という単純な文脈でこれらの作品をとらえている人も多いかもしれないが、そこでいう「ハリウッド」の内実とは、資本においても、マーケットにおいても、中国が主導しているという視点が今後ますます必要となってくるだろう。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
全国東宝系にて公開中
出演:カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、サリー・ホーキンス、渡辺謙、チャン・ツィイーほか
監督:マイケル・ドハティ  
脚本:マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
配給:東宝
(c)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
公式サイト:https://godzilla-movie.jp/

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