山田裕貴が誓った夢への努力 『なつぞら』家族の涙と笑顔で終結した「雪次郎の乱」

『なつぞら』家族の涙で終結した「雪次郎の乱」

 風車では咲太郎(岡田将生)ととよ(高畑淳子)が意気投合。酔っ払ったとよに雪之助は呆れる。だが、とよは雪之助の顔を見ると「たたいて悪かったね」「あんたにはわたしの夢まで背負わせて、苦労ばっかりかけて、悪かったね」と泣き出した。母親を優しく抱きしめる雪之助。小畑家は誰もが家族のことを強く思っている、そのことが伝わるシーンだった。

 翌日、雪次郎を風車に呼び出した雪之助。雪之助は雪次郎にバタークリームケーキを作れと言う。皆を満足させられる味ができたら、修行の成果を認め、雪次郎の好きに生きていい、と。雪次郎は見事にケーキを作りあげた。皆が絶賛する中、硬い表情をしていた雪之助が口を開く。

「何をするにも、これぐらいやれ。これぐらい努力しろ。これぐらい一生懸命頑張れ」

 雪之助の激励の言葉だった。

 小畑家は雪次郎に、自分で選んだ道で挫折することがあれば、いつでも帰ってこいと伝えた。雪次郎には帰る場所があるのだ。

 雪次郎が自分の夢に向かって進み始めた。なつの作画にも熱が入る。小畑家の物語に触れ、よりいっそう思いを込めるようにして絵を描くなつの横顔は美しかった。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、岡田将生、比嘉愛未、安田顕、仙道敦子、山田裕貴、藤本沙紀、山口智子、高畑淳子ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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