『名探偵ピカチュウ』、日本に続いて全米でも大ヒット 今年は「ポケモン映画イヤー」に!?

今年は「ポケモン映画イヤー」に!?

 「『ポケモン』映画の新展開」という点では、今年はもう1作、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』の公開が7月に控えている。これは、1998年以来、これまで22年間続いているお馴染みの夏の映画『ポケモン』シリーズの最新作であると同時に、シリーズ初のリメイク版にして、『ポケモン』映画としては初の全編フル3DCG作品となっている。筆者も含め、今回の『名探偵ピカチュウ』はこれまで『ポケモン』映画を劇場で観てこなかった大人の観客層を取り込むことに成功している一方で、ここまでの興行成績は近年の『ポケモン』アニメ映画作品の水準とそこまで大きな違いはない。つまり、今のところ子供の観客層を取りこぼしているわけだが、多くの新機軸が仕掛けられたこの夏の『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』はどのような結果をもたらすことになるだろうか?

 今回の『名探偵ピカチュウ』の世界的ヒットによって、ワーナー・ブラザース&レジェンダリー・エンターテインメントによる『ポケモン』映画もシリーズ化に向けて現実的に動き出しているだろうし、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』への世界的な注目も高まっているはず。言うまでもなく、『ポケモン』はゲームの世界においては長らく大人気を誇るグローバルコンテンツだったが、2019年、それが遂に映画界のキープレイヤーとしても躍り出たわけだ。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『名探偵ピカチュウ』
全国公開中
監督:ロブ・レターマン
出演:ライアン・レイノルズ、ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、渡辺謙、ビル・ナイ、リタ・オラ、スキ・ウォーターハウス
吹替:竹内涼真(ティム役)、飯豊まりえ(ルーシー役)
配給:東宝
(c)2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(c)2019 Pokemon.
公式サイト:https://meitantei-pikachu.jp/

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