『アベンジャーズ/エンドゲーム』は胸を張れる超大作に “ヒーローも人”というMCUのスタンス

『エンドゲーム』に見るMCUのスタンス

 そしてMCUの総決算である本作『エンドゲーム』は、『アイアンマン』からシリーズを追って来た身として十二分に満足できるものだった。11年かけて練り上げてきたMCUの魅力、その総決算として求められることを出来る限り全部やっている。シリーズを追って来たファンも、ところどころは観ているよという人も、これがMCU初接触となるファンにも、MCUの醍醐味を感じさせるはずだ。なんなら今回が初MCUになる人は、あえて何も知らずに観た方が後々楽しいかもしれない。特定のキャラクターや作品に思い入れがあった方が楽しめるのは当然だが、たとえば日本でいえば『スーパーロボット大戦』から個別作品に流れる人もいる。それは作品そのものか、あるいはキャラクターや世界観に「もっと知りたい」と思わせる魅力があるからだ。本作にもそうした魅力は確かにあったと思う。

 11年かけて広がったMCUという風呂敷は、限りなくベストに近い形で畳まれた。このシリーズをリアルタイムで経験できて本当に良かったと思う。今は何より、こんなとんでもない巨大プロジェクトを成功させた人々に拍手を送りたい。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
全国公開中
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ポール・ラッド、ブリー・ラーソン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2019
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

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