『なつぞら』ついになつが上京へ 酪農の子からアニメーターへ転身する“超展開”は成功するか!?

『なつぞら』“超展開”は成功するか!?

 ただ、実例を探してみると、アニメーターではなくても近い職種にはある。今月、亡くなった漫画家のモンキー・パンチは北海道厚岸郡の出身で、高校卒業後に漫画家を志し上京したという。偶然だが、劇中で“なつ”が上京するのと同じ昭和30年ごろのことだったと思われる。さらに少し後の世代になると “24年組”の山岸凉子を始め、北海道出身の漫画家は数えきれないほど。『鋼の錬金術師』『百姓貴族』で知られる荒川弘は、酪農も営む農家に生まれ、自身も農業高校を卒業し漫画家になるまで農業に従事していた。つまり、酪農家から漫画・アニメの作り手へという転身もなくはない。

 『なつぞら』にも今後、モデルの奥山玲子の周りにいた有名なアニメーター、アニメ監督たちを思わせる人物が登場。水木しげるをはじめとした漫画家たちを実名で描いた『ゲゲゲの女房』よりフィクション要素が強いが、昭和のアニメ業界の熱気とハチャメチャぶりをどこまでリアルに描けるかに期待しよう。

■小田慶子
ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。女性の生き方やジェンダーに関する記事も執筆。

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる