オマージュだけでは終わらない 『ファイナル・スコア』は新たな“ダイ・ハード映画”の快作だ!

『ファイナル・スコア』は新ダイ・ハード映画

 そんなわけで、テロリストが満員のサッカー場を占拠、たまたま事態を知ったバウティスタはテロリストたちとダイ・ハードな戦いを繰り広げることになるのだが、ここで監督のダイ・ハード愛が爆裂。敵の名前をメモして人数を把握、外の警察とのコミュニケーション、ぼやきながらの奇策などなど、オマージュが連打される。「あんたどんだけ『ダイ・ハード』好きなんだよ……」と思っていると、今度はキッチンでナイフ・バトルが始まり、「『沈黙の戦艦』も好きなんだ!?」と驚愕するばかり。さらに、クライマックスはどこか『サドン・デス』を想起させる大爆発が起こる。

 一方、こうしたオマージュだけでは終わらず、家族の絆で泣き&燃えどころはキッチリ押さえ、イギリス風味のブラックジョーク、ところどころで顔を出す凶悪な暴力描写、二転三転するストーリーなど、アクション映画のツボもキッチリ押さえている。試合中のスタジアムという空間ながら、格闘、銃撃戦、バイクチェイスと、多彩なアクションも楽しい。伏線もきちんと回収され、最後の最後は今日日アメリカでも見られない、コテコテのアメリカン・ジョークで〆るのもお見事。105分の上映時間も含め、まるで『午後のロードショー』の当たり回的な安心・安定感を堪能できる。ダイ・ハード映画の新たな快作が誕生した。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『ファイナル・スコア』
4月12日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
出演:デイヴ・バウティスタ、ピアース・ブロスナン、レイ・スティーヴンソン
監督:スコット・マン
脚本:ジョナサン・フランク、デヴィッド・T・リンチ、キース・リンチ
音楽:ジェームズ・エドワード・バーカー、ティム・デスピック
撮影:エミール・トプゾフ
編集:ロバート・ホール
配給:クロックワークス
2018年/イギリス/105分/原題:Final Score/レイティング:R15+
(c)Final Score Film Limited, 2018.
公式サイト:http://klockworx-v.com/finalscore/

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