初登場2位の『ダンボ』、高く飛ばず ディズニーの実写版リメイクはいつまで続くのか?

ディズニーの実写版リメイクはいつまで続く?

 それでも、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの「実写版リメイク」は止まらない。今後もガイ・リッチー監督による『アラジン』(アメリカ公開5月24日、日本公開6月7日)、ジョン・ファヴロー監督による『ライオン・キング』(アメリカ公開7月19日、日本公開8月9日)、ヨアヒム・ローニング監督による『マレフィセント』続編(アメリカ公開10月18日)、ニキ・カーロ監督による『ムーラン』(2020年公開)と公開待機中、もしくは製作中の作品が目白押しだ。

 そうしたリメイク作品偏重の背景に、近年の自社リメイクものではない実写作品、『トゥモローランド』(2015年)、『ザ・ブリザード』(2016年)、『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016年)などの興行的な不振があったことは容易に想像できるが、間違いなく言えるのは、このままいけば5年後や10年後にはリメイクのネタが尽きるということ。今後はリメイク作品の中でヒットした作品の続編だけを製作し続けることになるのか(少なくとも今回の成績では『ダンボ』の続編は期待薄だろう)、さらなるリ・リメイクが始まるのか、あるいは今年後半にアメリカでサービスが開始されるディズニー自前のストリーミングサービス「Disney+」に応じた、映像界全体を巻き込むような抜本的な環境の変化が待っているのか。現時点では、まだなかなか予測がつかない。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『ダンボ』
全国公開中
監督:ティム・バートン
出演:コリン・ファレル、エヴァ・グリーン、マイケル・キートンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/dumbo.html

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