二大看板「朝ドラ」と「大河」以外でも高いクオリティ保持 意欲作が続く近年のNHKドラマを探る

NHKドラマ、意欲作が続く理由

 よるドラに比べると、存在感が薄くなってきているが、土曜ドラマも見逃せない。

 2000年代末には大友啓史演出の『ハゲタカ』を筆頭とする社会派ドラマの傑作を生み出してきた。今では日曜劇場のイメージが強くなっているが『鉄の骨』や『七つの会議』といった池井戸潤の原作小説のドラマ化もいち早く手がけたのも土曜ドラマである。

 現在は方向性に迷いを感じるが、今期放送された『みかづき』は久々に土曜ドラマらしい作品だった。演出や音楽はコミカルだが、学習塾の歴史を通して戦後日本を見せていく構えの大きさは見応えがあり、もっと長い尺で見たかったと感じさせた。

 同じ土曜に放送されている土曜時代劇(土曜18時5分放送)は、ライトな時代劇を放送しており、今期はBSプレミアムで放送された『幕末グルメ ブシメシ!2』を再放送していた。

 時間帯が早いためか若者向けテイストも強く、最近では女子高生が戦国時代にタイムスリップする『アシガール』がおもしろかった。

 1970年代に放送された『なぞの転校生』等の少年ドラマシリーズや、『六番目の小夜子』のようなSFジュブナイル作品がNHKドラマにはポツポツと存在するが、『アシガール』は同じエッセンスを感じた。

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