浜辺美波、時代劇『大奥』は大きなターニングポイントに? 2019年も大活躍の予感

『大奥』は浜辺美波のターニングポイントに?

 とはいえこのブレイクロードを司る作品に一貫しているのは、いずれもが“現代劇”というフィールド上にある作品だったということだ。たしかに、彼女の放つオーラや喋り方には、いかにも現代らしさがあふれる他の女優たちとは一線を画した“落ち着き”があって、それがギャップとなって作品に反映されているといえる部分も多々ある。昨年末に放送されたドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)でゲストキャラクターとして学生の1人を演じて80年代にタイムスリップした彼女ではあるが、あれは極めて特殊な例だ。

 そういった点でも、“時代を超越する演技”の中で、彼女の切り札がきちんと作用するのかはまだまだ未知数である。もっとも、「時代劇」といういちジャンルに関していえば2016年に放送された『必殺仕事人2016』(テレビ朝日系)で経験しているわけだが、当時とは彼女に向けられた期待の大きさは明確に異なる。つまり、今回の『大奥 最終章』の中で彼女が見せる演技は今後の指標となるわけだ。加えて夏には第二次大戦開戦直前を描き出した『アルキメデスの大戦』の公開も控えているだけに、これまで培ってきた役柄の幅が物語の“時代性”とどのように交わっていくのかという点が、2019年の浜辺美波という女優の躍進のひとつの鍵といえるだろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』
フジテレビ系にて3月25日(月)20時~22時54分放送
出演:木村文乃、大沢たかお、小池栄子、浜辺美波、南野陽子、岸井ゆきの、鷲尾真知子、山口香緖里、久保田磨希、浅野ゆう子、北村一輝、谷原章介、葛山信吾、松坂慶子 鈴木保奈美 他
脚本:浅野妙子
音楽:石田勝範
企画:保原賢一郎、塚田英明(東映)
プロデュース:高田雄貴、大森敬仁(東映)、大西文二(東映)
演出:林徹
制作:フジテレビ、東映
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oh-oku2019/

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