『スパイダーバース』プロデューサーが語る、これまでの“スパイダーマン映画”との違いと普遍性

『スパイダーバース』プロデューサーが語る

「常に普遍的な映画を作ろうと努力している」

ーー大人も子どもも共感できる部分がある映画かと思います。本作の制作にあたって観客層は意識しましたか?

ロード&ミラー:私たちは常に普遍的な映画を作ろうと努力している。映画の最初のカットを観ても分かると思うんだけど、マイルスと彼の家族の関係がこの映画の“心臓”であり、僕らがこの映画を作ろうと思った理由でもある。また、スパイダーマンという人物は常に「自分には資格がない」と恐れているよね? 自分にその資格がなくても、大人がやるようなことをしないといけなくて、自分はその準備ができていないと感じている。その恐怖心は私たちみんなに共通するものだと思う。それでもスパイダーマンは答えがないまま飛び込んでいって、やがて答えを見つけていく。そこに私たちも勇気づけられるんだ。それは他のスーパーヒーロー作品とは違うところかもしれないね。

ーー今までのスパイダーマン映画を観ていて、さらにアップデートしたいと思った部分はありますか?

ロード&ミラー:まずマイルスを主人公に据えたことで、「誰でもスパイダーマンになれる」ということを、より現代的にわかりやすくしようとした。というのも、彼はエリートでも、億万長者でも、神でも、エイリアンでもなく、普通の人だから。それに加えて、他のいろんなスパイダーマンも集結させることで、さらにそのアイデアを突き進めたんだ。年齢も、性別も、バックグラウンドも関係なく、あなたもヒーローになれる、というメッセージを強調したかった。

ーー続編への意欲はありますか?

ロード&ミラー:続編への希望はある。ファンの皆からも続編を望む言葉をもらっていて、とても感謝しているよ。今回マイルスと他のスパイダーマンたちを作り上げたことで様々な可能性があるとは思う。まだ何か決まっているわけではないけれど、作れるとしたら非常に楽しみだね。

(取材・文=島田怜於)

■公開情報
『スパイダーマン:スパイダーバース』
全国公開中
製作:アヴィ・アラド、フィル・ロード&クリストファー・ミラー
監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
脚本:フィル・ロード
吹き替えキャスト:小野賢章(マイルス・モラレス/スパイダーマン役)、宮野真守(ピーター・パーカー/スパイダーマン役)、悠木碧(グウェン・ステイシー/スパイダーグウェン役)、大塚明夫(スパイダーマン・ノワール役)、吉野裕行(スパイダー・ハム役)、高橋李依(ペニー・ パーカー役)、玄田哲章(キングピン役)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:spider-verse.jp
公式Twitter:https://twitter.com/SpiderVerseJP/
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