杉咲花を占うユニークな展開に 『ハケン占い師アタル』が問う、仕事における“存在価値”

『アタル』杉咲花を占うユニークな展開に

 そしてアタルがキズナに訴えたのは、「自分の人生をいきていきたい」「分かっている未来は欲しくない」という、至極まっとうなものだった。なかなか話の通じない毒親ではあったが、彼女自身もまた、大きな問題を抱える人であることがアタルの能力により発覚したのだ。結局すっきりとした母娘の別れとはならなかったが、両者にとって前向きな別れとなったことはたしかである。

 この8話で、「自分の存在価値」という今までで最も重いテーマが描かれたが、気がつけば次週が早くも最終回。この物語の人々の行く末と本作に託されたメッセージを、最後まで見届けたい。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:杉咲花、小澤征悦、志田未来、間宮祥太朗、志尊淳、野波麻帆、板谷由夏、若村麻由美、及川光博
脚本:遊川和彦
音楽:平井真美子
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:山田兼司(テレビ朝日)、山川秀樹(テレビ朝日)、太田雅晴(5年D組)、田上リサ(5年D組)
演出:遊川和彦、日暮謙(5年D組)、伊藤彰記(5年D組)
制作協力:5年D組
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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