『グッドワイフ』北村匠海が抱えるコンプレックスが明らかに 常盤貴子との関係性にも変化が

『グッドワイフ』北村匠海が魅せた二面性

 朝飛と杏子はこの一件で少し関係がよくなった。2人の距離感はセリフではなく、北村と常盤の表情によって表された。2人の芝居からは、お互いに対する信頼感が変化している様子が手に取るように伝わってくる。常盤の芝居はもちろん、それに応える北村の実力が垣間見える瞬間でもあった。北村はこの朝飛という役の成長を芝居を通して表現し、ドラマに花を添えるのであった。

 一つのストーリーの中で、人物の表の顔、抱えている背景、そして核心に迫る部分までが描かれた第4話であったが、深掘りされたのは朝飛のキャラクターだけではない。朝飛との化学反応で、神山多田法律事務所の人物が深掘りされ、円香(水原希子)、多田(小泉孝太郎)までもが感情的な部分を見せた。

 杏子をとりまく環境は、壮一郎の一件もあり穏やかではない。しかし未来に向かって着実に切り開かれていく爽快感が感じられた。外に出て居場所を見つけた杏子にとって、今でも壮一郎は必要なのか。子どもたちという守るものがある杏子だからこそ、判断は慎重になる。しかし多田のサポートや、法律事務所でのやり甲斐を感じる仕事などで、さらに女性としての凜とした強さを得ている杏子。その中で杏子がどのような一手を打つのか、次週以降も見守っていきたい。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
日曜劇場『グッドワイフ』
TBS系にて、2019年1月13日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54
出演:常盤貴子、小泉孝太郎、水原希子、北村匠海、滝藤賢一、賀来千香子、吉田鋼太郎、唐沢寿明
脚本:篠崎絵里子
チーフプロデュース:瀬戸口克陽
プロデュース:東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
原作:based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television Studios in association with Scott Free Productions and King Size Productions, and distributed by CBS Television Distribution”
制作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/

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