『トレース~科捜研の男~』は錦戸亮の新境地を引き出せるか 新木優子&船越英一郎にも要注目

『トレース』錦戸亮が持つ冷静さと優しさ

 錦戸亮が主演を務める『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が、1月7日よりスタートした。

 元・科捜研の古賀慶によるマンガ『トレース-科捜研法医研究員の追想-』を原作にした本作は、実際に起きた事件や経験をベースに描かれた本格科捜研サスペンス。警察を憎む科捜研の男・真野礼二(錦戸亮)、翻弄される新人研究員・沢口ノンナ(新木優子)、叩き上げのベテラン刑事・虎丸良平(船越英一郎)をメインキャストに、現場に残された痕跡(トレース)が示す真実をもとに、事件を捜査していく。

 まず、第一に触れておかなければならないのが、誰もが気になるであろう『トレース~科捜研の男~』というドラマタイトルだ。原作の副題が“科捜研法医研究員の追想”なのに対して、今回“科捜研の男”と付けられたのは、沢口靖子を主演に20年続く大人気シリーズ『科捜研の女』(テレビ朝日系)を意識しているのは明らか。錦戸も公式ホームページをはじめ、多くのインタビューで戸惑いながらそのことに言及している。

 例えば、1983年から市原悦子を主演に始まった『家政婦は見た!』(テレビ朝日系)は、2011年に松嶋菜々子を主演に『家政婦のミタ』(日本テレビ系)として大ヒットを記録。その後も2016年にまさかの松岡昌宏を主演に『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)として放送されている。とは言え、今回の『トレース』が『科捜研の女』に寄せられた脚本になっているわけではない。『科捜研の女』に比べて、シリアスかつサスペンス色が強く、息が詰まるような展開の数々は元科捜研の研究員だったという原作者によるリアルな体験からくるもの。“科捜研の男”として、また後世に語り継がれる、新たな科捜研ドラマの傑作が生まれる可能性もある。

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