高畑充希、2019年もロケットスタートとなるか ドラマ・映画・CM、起用され続ける魅力を探る

高畑充希が映画・ドラマに起用され続ける理由

 ほかにも、6月に草刈正雄とW主演を張った『68歳の新入社員』(関西テレビ/フジテレビ系)、9月には『過保護のカホコ~2018 ラブ&ドリーム~』(日本テレビ系)が続編として放送され、『忘却のサチコ』と合わせて3本の単発ドラマでいずれも主演を担当。2017年に公開された映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』では、森川ココネの声優として主演を務めたが、2018年においては実写映画『旅猫リポート』にて、元野良猫のナナの声優という特殊な役柄を演じきった。先日公開になったばかりの映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』での強情な演技っぷりも記憶に新しいところだ。

『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(c)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

 X JAPANの「紅」を熱唱するNTTドコモのCMが話題になったのが、昨年6月。高畑は「2018年タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター株式会社)の女性部門で新垣結衣や上戸彩に並ぶ9社と、変わらぬ人気を誇っており、「みつき」名義で歌手デビューしているその歌唱力に度々スポットが当たっている。2013年に出演した朝ドラ『ごちそうさん』(NHK総合)で披露した歌唱シーンが始まりとされるが、昨年2月には『Disney on CLASSIC Premium『リトル・マーメイド』イン・コンサート』で主人公・アリエル役を演じ、日本武道館でその歌声を響かせている。昨年、大晦日には『第69回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出演。『過保護のカホコ』主題歌、星野源「Family Song」MVへの出演をきっかけに、『おげんさんといっしょ』(NHK総合)ではおげんさんファミリーのお父さんとしてすっかり定着し、『紅白』の舞台でも星野や藤井隆、三浦大知、宮野真守と並び、美しい美声を披露していた。

 そんな星野とは今年8月に公開となる映画『引っ越し大名!』でついに共演を果たす。『おげんさんといっしょ』という特殊な役柄からスタートした2人が、映画ではどのように接しているかも興味深いところ。『メゾン・ド・ポリス』の放送が終了した後には、舞台『奇跡の人』が4月から始まり、『引っ越し大名!』の公開。2020年には、すでに映画『ヲタクに恋は難しい』の公開も決定している。

 アーティストとしてだけでなく、役者や執筆家としても成功している星野源。下積み時代に大人計画へ直談判し、所属したことで彼の人生の歯車は少しずつ回りだしていくが、今の星野を形作っているのは、クレイジーキャッツやドリフターズから学んだ“全てがメイン”という仕事への向き合い方からだ。この流儀は少なからず高畑にもあるように感じている。その成果が結実したのが、『忘却のサチコ』に表れている振り幅の広い演技であり、1月から始まるドラマ、舞台、映画と高畑の演技の軸はほかの同世代の女優よりも遥かに太い。『過保護のカホコ』は高畑の知名度を一気に押し上げた作品であり、本人にとっても大きく成長できた期間だったと語っている(高畑充希、めまぐるしく変わり続ける環境の中で見つけた“楽しさ”と“心のゆとり”「livedoorNEWS」)。

 『メゾン・ド・ポリス』は、高畑の初の刑事役とともに、“おじさま達のシェアハウス”の中で年配男性を引っ張っていく役柄を演じる。『過保護のカホコ』や『こんな夜更けにバナナかよ』など、これまで演じてきた役にはぶしつけな態度を取る女性が多かったが、『メゾン・ド・ポリス』でもそんな毒っ気が飛び出すか注目だ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■番組情報
金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』
TBS系にて2018年1月11日(金)スタート 毎週金曜22:00〜放送
※初回15分拡大
出演:高畑充希、西島秀俊、西田尚美、竜星涼、木村了、戸田昌宏、小日向文世、野口五郎、角野卓造、近藤正臣
原作:加藤実秋『メゾン・ド・ポリス』シリーズ(角川文庫刊)
脚本:黒岩勉
演出:佐藤祐市、城宝秀則
プロデューサー:橋本芙美、芳川茜
製作:共同テレビ、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/maison_de_police/

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