『アンナチュラル』『グッド・ドクター』『ぎぼむす』……人々が“化学反応”を起こした今年のドラマ

2018年“化学反応”を起こしたドラマたち

『義母と娘のブルース』(TBS系)

『義母と娘のブルース』(c)TBS

 「私が笑ったら、自分が笑った気になる」「私が傷つけられたら、自分のことみたいに怒る」「自分が欲しかったものを、全部あげたい(と思う)」。みゆき(上白石萌歌)はこれらを「世間じゃ“愛”って言う」のだとぶつけた。

 本作の重要なメッセージの一つは、みゆきのこの台詞にある。亜希子(綾瀬はるか)はビジネスの世界では何でもこなすスーパーウーマン。しかし、そんな亜希子もみゆきとの関係構築はすぐには上手くいかなかった。私たちもまた「“愛”とは何か」と聞かれると、とかく難しく考えてしまうもの。しかし、答えは案外とてもシンプルだった。シンプルなのに上手く言い表せない。そんな“愛”のシンプルにして正鵠を得た定義を、『ぎぼむす』から教わった気がした。“愛”に限らず、当たり前のように存在するものとみなしていて、実ははっきりとそのことを説明できないことが沢山ある。本作で何度も示された日常の“奇跡”もその一つである。

『ドラマBiz』枠3作品(テレビ東京系)

 2018年のドラマを語るにあたり、この放送枠に触れないわけにはいかない。今年4月から始まった『ドラマBiz』枠は、江口洋介主演の『ヘッドハンター』に始まり、仲村トオル主演の『ラストチャンス 再生請負人』、唐沢寿明主演の『ハラスメントゲーム』と続き、3作すべてが良作だった。

 例えば、直近の『ハラスメントゲーム』では主演の唐沢に加え、広瀬アリス、古川雄輝、市川由衣、滝藤賢一、石野真子、佐野史郎、高嶋政宏などがレギュラー出演したほか、余貴美子、斎藤工、八嶋智人、杉本哲太、石井正則、松下由樹、加藤雅也等々、超豪華ゲストの登場も話題に。井上由美子が原作・脚本を、コブクロが主題歌をそれぞれ務め、まさしく“全員野球”感がみなぎる作品であった。

 『ヘッドハンター』『ラストチャンス』も同様に、熟練のキャスト布陣に加えて、良質な脚本・演出のもとに制作されたものであり、テレ東ドラマの“プライド”が存分に伝わってきた。

(文=國重駿平)

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■リリース情報
『アンナチュラル』
Blu-ray&DVD発売中

・Blu-ray
価格:24,000円+税

<仕様>
2018年/日本/カラー/本編+特典映像(収録分数:本編472分+特典171分)/16:9 1080i High Definition/DISC1~4:2層/音声:リニア PCM2ch ステレオ/字幕:日本語(本編のみ)/全10話/4枚組(本編ディスク3枚+特典ディスク1枚)

・DVD
価格:19,000円+税

<仕様>
2018年/日本/カラー/本編+特典映像(収録分数:本編472分+特典171分)/16:9LB/DISC1〜5:片面1層、DISC6:片面2層/音声:ドルビーデジタル 2.0ch ステレオ/字幕:日本語(本編のみ)/全10話/6枚組(本編ディスク5枚+特典ディスク1枚)
※仕様は変更となる場合がございます

【特典映像171分】プレミアム試写会、「アンナチュラル」ぶっちゃけトーク 完全版、メイキング&クランクアップ、インタビュー集 スペシャルロングver(石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊)、「アンナチュラル」ベストシーン×「Lemon」、SPOT集

第8話は未公開カットを追加したディレクターズカット版を収録

【特典音声】
最終話オーディオコメンタリー 神倉保夫役・松重豊×脚本家・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子

【初回生産限定封入特典】「茶色い小鳥」ミニ絵本

【封入特典】ブックレット(32P)
脚本家・野木亜紀子による各話ライナーノート掲載

出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、薬師丸ひろ子、松重豊(特別出演)、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海(超特急)、飯尾和樹(ずん)、北村有起哉、大倉孝二
脚本:野木亜紀子
主題歌:米津玄師「Lemon」(ソニー・ミュージックレコーズ)
音楽:得田真裕
法医学監修:上村公一、鵜沼香奈(東京医科歯科大学)
プロデューサー:新井順子、植田博樹
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、村尾嘉昭
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
発売元:TBS
発売協力:TBSサービス
販売元:TCエンタテインメント
(c)TBS

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