有村架純、岡田健史のために全てを捨てるが…… 『中学聖日記』が描く理想と現実のギャップ

『中学聖日記』有村架純が全てを捨てる

 そんな聖において唯一とも言っていい救いとなったのが律(吉田羊)との再会だ。律は今回の裏主人公と言っても過言ではないだろう。物件の保証人を探していた聖は、偶然律と再会する。聖の近況を聞いていた律は「変わったね、聖ちゃん。強くなった」「何もないってことは何からも自由ってことよ」と説き、保証人も買って出るのだ。そんな日の夜、晶から「なんか引いた。突然冷めた」と聖の元に電話が。それでも何もかも失った聖は前へ進まなければならない。新居の内見に律と訪れ、思わず聖はそのことをこぼす。そんな聖を、「いいよ、泣いても」と律は優しく慰める。

 数日後、聖の元に突然律が現れ、晶がいるという大学のオープンキャンパスまで連れていく。もう晶と話すことはないと弱気な聖だが、そんな聖に「なんで? って思ったら追求するの」「戦え! 聖!」と背中を押し律。律は、ようやく正直に生きることを決意した聖をどこまでもサポートする。律の言葉は、常に悩みながら生きる私たち視聴者の背中をも押し出してくれるような凛とした強さと優しさがこもっているのだ。

 聖と再会した晶は、聖が教職を辞めたことを知らせてくれなかったことの怒りをあらわにした。実は、晶は聖のかつての婚約者・勝太郎(町田啓太)から聖が学校を退職した事実を聞かされ、それが晶のせいだと言われていたのだった。自身の責任を感じていた晶は、聖を思う一心で別れようとしていたのだ。そんな最中、愛子の姿を見つけた晶は、聖の手をとって走り出す。そして2人は互いに「黒岩くんの隣にいたい」「僕もです。先生の隣にいたいです」と思いを再認しあうのだった。しかし、通報を受けたという警官が突然2人の前に姿を現す。2人は警察署まで同行することになる。通報をした人物が誰なのかは未だわかっていない。次回予告では「黒岩くん、会えて良かった」と涙を流す聖の姿だけが映し出されており、2人が今後どうなってしまうのかは分からない。いよいよクライマックスを迎える『中学聖日記』。2人の行く末を最後まで見届けたい。

(文=島田怜於)

■公開情報
火曜ドラマ『中学聖日記』
TBS系にて、毎週火曜22:00~23:07放送
出演:有村架純、岡田健史、町田啓太、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、吉田羊、夏川結衣、中山咲月
原作:かわかみじゅんこ『中学聖日記』(祥伝社フィールコミックス)
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、坪井敏雄
主題歌:Uru「プロローグ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/

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