岡田将生と成海璃子が築いた確かな絆 『昭和元禄落語心中』“未練”が命を繋ぐ

『昭和元禄落語心中』が描く家族の絆

 「今度会うときは地獄ね」とみよ吉が思い出される。八雲は、艶やかに寄りかかるみよ吉を気にすることなく客の前に座ったが、彼女が地獄へ連れて行くかのように、八雲は舞台の上で倒れてしまう。

 与太郎と小夏が心配そうに見つめる中、八雲は病院で目を覚ます。「未練だねぇ……」と力なく呟く八雲の心のうちには、きっと真相を知らされず苦しむ小夏の姿があるはずだ。小夏に殺されることを望んでいた八雲だが、時が経ち小夏のためにまだ死ねないと思うようになってしまった。

 小夏も八雲もこれまでの恨みがリセットされるほど長い時間を家族として過ごしてきた。そこに与太郎が加わり、信之助が生まれたことで、八雲はかつて苦しみながら探していた“自分の居場所”を手にしていたのだ。

(文=馬場翔大)

■放送情報
ドラマ10『昭和元禄落語心中』
NHK総合にて、毎週金曜22:00~放送
出演:岡田将生、竜星涼、成海璃子、大政絢、山崎育三郎
脚本:羽原大介
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/index.html

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