大政絢、岡田将生と山崎育三郎の人生を揺るがす 『昭和元禄落語心中』落語の中の“女性像”

『昭和元禄落語心中』が描く落語の女性像

 みよ吉が田舎で出産をするため、助六も東京を離れることとなった。菊比古に別れを告げにきた助六だったが、助六に落語を続けて欲しいと思っている菊比古と衝突してしまう。迎えにきたみよ吉と一緒に家路につく助六と、かたや1人で稽古に入る菊比古が対照的に描かれている。

 孤独な落語に自分の芸を見出していた菊比古はこれで完全に1人となった。そして落語にはどんどんと磨きがかかっていったが、大好きだった助六の落語を忘れられずにいた。みよ吉が、菊比古と助六を、そして助六と落語を引き裂いてしまったのだ。

 先述の話に戻るが、落語で表現されている“女性像”が本作にも強く表れているのがみよ吉という女性だ。これから家庭を築き幸せな将来に向かっていくようにも思えるが、過去の経験から悲壮感が漂い、辛い結末が待っているのではないかと予感させる。次週、菊比古の過去編も佳境を迎え、助六とみよ吉の死についても明かされるはずだ。果たしてみよ吉は幸せな人生を送ることができたのだろうか。

(文=馬場翔大)

■放送情報
ドラマ10『昭和元禄落語心中』
NHK総合にて、毎週金曜22:00~放送
出演:岡田将生、竜星涼、成海璃子、大政絢、山崎育三郎
脚本:羽原大介
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/index.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる