チームが本格的に始動 中島健人『ドロ刑』泥棒が刑事に説教する不思議な光景はなぜ成立する?

『ドロ刑』泥棒が刑事に説教、なぜ成立?

 ところで、今回登場した“ノビ”と呼ばれるタイプの泥棒について触れておきたい。来年映画化される横山秀夫の小説『影踏み』でも描かれている“ノビ”は空き巣と違い、あえて家人が家にいる時間帯を狙って忍び込む。それは、見つかりやすいリスクと引き換えに、確実に財布などの貴重品が家にあるというリターンの大きさを狙っていると言われているのだ。

 今回の大堂は熟練された技を駆使してスピーディーに仕事をこなし、わざと痕跡を残す。クライマックスで対峙し、カッターを向けられた斑目が「絶対のプライドがあるから」と、危害を加えてこないことをわかっていたのは、大堂がスリルを楽しむ余裕を持つほど自分の腕に絶対の自信を持っているということを、斑目が“泥棒の気持ち”に立って考えた証であるといえよう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』
日本テレビ系にて毎週土曜22:00~22:54放送
出演:中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、石橋杏奈、中村倫也、江口のりこ、野間口徹、田中道子、生島翔、丸山智己、板尾創路、稲森いずみ
原作:『ドロ刑』福田秀(集英社「週刊ヤングジャンプ」 連載)
脚本:林宏司
音楽:木村秀彬
主題歌:Sexy Zone 「カラクリだらけのテンダネス」(ポニーキャニオン)
演出:大谷太郎、中島悟(AXON)、高橋朋広
制作協力:The icon
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dorokei/
番組公式Twitter アカウント : @dorokei_ntv

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