永野芽郁と佐藤健に訪れた“2人のタイミング” 『半分、青い。』最終週は驚きの展開に?

永野芽郁と佐藤健に訪れた2人のタイミング

 療養する晴(松雪泰子)のために始まった「そよ風ファン」の開発は、まるで幼少期に2人が作ったゾートロープを思い起こさせる。律から参考書を借りる鈴愛の姿は、漫画家になるきっかけになった『いつもポケットにショパン』を借りる風景を、律が開発中に閃き口にする「インスピレボリューション」は高校時代に鈴愛が言い放ったセリフでもある。会社に戻り「ただいま」と自然と出る、そんな居心地のいい空間で、2人が引き寄せられていったのには、タイミングの巡り合わせが全てだったというのが一番の理由だろう。

 第25週は、鈴愛が昔、恋仲にあった正人(中村倫也)、元夫の涼次(間宮祥太朗)と対峙する週でもあった。自身が諦めた才能ある夢を涼次に託していた鈴愛は、映画監督として大成した彼に第一声「売れてよかったね」と声をかけ、「俺とやり直す気ない?」と冗談まじりに話す正人に「悪い男だね。相変わらず」と“大人の女”で返答する。これまで経験してきた思い出すと痛い恋愛の思い出を一つひとつ鈴愛が笑い話に変えていく。正人は律にとって、気兼ねなく何でも話せる少ない親友であり、鈴愛にとっても正人は気の合う親友に近い存在。「私、律の前ではずっと変わらないでいられるんだ」「振られるのが怖いから。今のままでいい」と永遠にこないと勝手に思っている“2人のタイミング”は、意外と早くやってきたというわけだ。

 最終週のタイトルは「幸せになりたい!」。2011年3月11日に起きた震災後の物語が描かれることとなる。思い出すのは、第24週のラスト、仙台で看護師を務めるユーコ(清野菜名)が話していた「海が見える病院」というフレーズ。予告では、夏虫駅で風に飛んでいったはずの、鈴愛の夢が書かれた短冊も登場している。先日、脚本家の北川悦吏子がゲスト出演した『岡田恵和 今宵、ロックバーで~ドラマな人々の音楽談議~』(NHK FM)では、北川も筆を躊躇するような驚きの展開が最終回に待ち受けていると話していた。“朝ドラらしくない朝ドラ”と言われ続けた『半分、青い。』が進むラストとは、果たして。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一、上村海成/佐藤健、原田知世、谷原章介/矢本悠馬、奈緒/清野菜名、志尊淳
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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