『半分、青い。』谷原章介が語る、佐藤健&原田知世と築いた萩尾家 「和子さんを支えるために弥一はいた」

『半分、青い。』谷原章介インタビュー

「和子さんを支えるために弥一はいた」

ーー息子の律を演じる佐藤さんとはどんな形で“親子”になることを意識しましたか?

谷原:特に意識はしませんでした。原田さんを含めて、萩尾家として出会って最初に感じたものを積み重ねていくだけかなと。和子さんとは違う目線で律を見守る。それは役の中でもそうですし、実際に健くんと接する上でも原田さんとは違う形でした。撮影の合間の前室、もしくはリハーサルの時に、うちの息子は何をしたがってるんだろうなということを、じーっと見て探っていた部分もあります。

ーー律と親子2人でお酒を飲み交わすシーンも素敵でしたね。

谷原:子供とお酒を飲みに行くという経験がまだ実生活ではないので、いつかこんなこともあるのかな、なんて思いながら疑似体験としてやりましたけれど、いいもんですね。父と子であった関係が、男と男の関係として会話ができる。実生活でも大事に時間を積み重ねて、律と弥一のような親子関係を作りたいと思いました。

ーー弥一として最も印象に残っているシーンは?

谷原:挙げていったらキリがないですが、第110話で和子さんと「この広い野原いっぱい」を歌ったシーンです。和子さんが徐々に死に向かっていく中で、弥一も律も一瞬一瞬を大事にしようとしている。暖かいキラキラした日々が続けばいいと思っているのに、絶対に続かないことも分かっている。そんな悲しみを胸に抱えて、今にも涙が出そうなのですが、和子さんのために絶対に泣いてはいけない。和子さんが弱音を吐いていないからこそ、弥一が涙を流した瞬間にすべてが崩壊してしまう。和子さんを支えるために弥一はいましたから。撮影中はその涙を堪えるのが大変でした。

ーー最後に『半分、青い。』の主人公・鈴愛を演じた永野芽郁さんの印象を教えてください。

谷原:本当に素敵です。お芝居って、決して上手い下手ではないところに大事なものがあると思います。永野さんは“技術”という部分でも本当に上手い女優さんだというのが前提なのですが、芝居の上手い下手を超えた、人間としてのエネルギーを持っているんです。表現者として本当に素晴らしいですし、これからがとても楽しみです。

(取材・文=石井達也)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/奈緒、矢本悠馬、石橋静河、余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/清野菜名、志尊淳、山崎莉里那、小西真奈美
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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