声優初挑戦で主演に抜擢! 北香那が語る、『ペンギン・ハイウェイ』“アオヤマ君”の役づくり

『ペンギン・ハイウェイ』北香那インタビュー

「『バイプレイヤーズ』はアオヤマ君を演じる上での自信にもつながった」

ーーお姉さん役の蒼井優さんとは何かやりとりはあったんですか?

北:実は蒼井さんとはアフレコで一度しか一緒になっていないんです。そこで初めて蒼井さんにお会いしたんですけど、私はガチガチに緊張してしまって。そしたら、蒼井さんが録音の合間にすごくリラックスさせてくれたんです。仕事とは全く関係のない楽しい話をしてくださって、緊張を和らげてくださいました。本当にお姉さんのような存在で、心がふわーと暖かくなりました。

ーーそこで安心感が芽生えたわけですね。作品に対してはどんな感想を抱きましたか?

北:一見、ファンタジーでキラキラしたイメージがあるんですけど、生きることに対しても考えさせられるし、大事な人を大切にしようとも思う、そんないろんな感情が一気に湧いてくる作品だと思います。想像しているよりも、すごく深いお話だなと。でもやっぱり、私はすごく昔の匂いを思い出しました。小学校だったり体育館だったりママのご飯の匂いだったり……そういうものがフラッシュバックして、懐かしい気持ちになりました。

ーー北さん自身、小学生時代はどんな子供だったんですか?

北:私は超やんちゃな女の子でした。ダメって言われたことはやりたいみたいな(笑)。絶対に黄色い帽子を被らなきゃいけない学校に通っていたんですけど、私は被りませんでした(笑)。ちょっと反抗したかったんでしょうね。

ーー今回、性別も年齢も異なる役柄に挑むにあたって、役作りはどのように?

北:20歳の私が小学4年生の男の子と接する機会はあまりないんですけど、アオヤマ君と同じ年の妹がいるんですよ。最初は小学4年生の男の子の声のトーンが分からなかったので、妹の学校の授業参観に行って、男の子の声を聞きながらそれをインプットしてアオヤマ君の声を作っていきました。

ーー生の小学4年生の男の子の声を聞いて役を作っていったと。

北:でも、収録では「アオヤマ君を小6だと思ってやって」と言われてしまって。アオヤマ君は大人っぽいという設定だけど、私は最初、リアルな小4の方に近づけて、滑舌もわざと悪くしていたんです。だけど、作った声が高すぎて、喋り方もちょっと子供っぽかったみたいで。なので、収録の段階で調整していきました。

ーー“声だけの演技”は普段のお芝居とは異なる部分も多かったのでは?

北:本当に全然違いました。あらかじめ決まった絵に声をはめなければいけないので、セリフも何分何秒で言い終わらなければいけないと決まっているんですよね。セリフに加えて時間も気にしなければいけなかったので、そこは本当に苦労しました。自分で表情を作るのではなく、アオヤマ君の表情に合わせて声を作るのも難しかったです。

ーー北さんは『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)でのジャスミン役の演技も話題になりましたが、“声の演技”ということで言えばある意味共通する部分もあるように思いました。

北:確かにそうですね。今回のアフレコはちょうど『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』の撮影と同時期ぐらいに行ったんです。『バイプレイヤーズ』のジャスミンは中国人という設定もあり、実は日本人の私がやったら叩かれるんじゃないかなとも最初は思っていたんです。でも、想像以上に『バイプレイヤーズ』を観てよかったと言ってくださる方が多くて、私自身も励みになりました。ジャスミンのような喋り方は普段しないですし、アオヤマ君のような喋り方もしないので、共通点はありますし、アオヤマ君を演じる上での自信にもつながったと思います。今回の経験をとおして、また声のお仕事をできる機会があれば、今後も是非やりたいと思いました。次は是非、女の子の声をやってみたいです(笑)。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『ペンギン・ハイウェイ』
全国公開中
出演:北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人
原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)
監督:石田祐康
キャラクターデザイン:新井陽次郎
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
音楽:阿部海太郎
主題歌:「Good Night」宇多田ヒカル(EPICレコードジャパン)
配給:東宝映像事業部
制作:スタジオコロリド
(c)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
公式サイト:penguin-highway.com

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<応募締切>
8月24日(金)

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