『半分、青い。』永野芽郁と佐藤健の“ナチュラル”で曖昧な関係性を読む

『半分、青い。』鈴愛と律の曖昧な関係性

 しかし、形はどうであれ鈴愛の律を支えたいという思いは、今後の物語で重要な意味を持ち続けることであろう。というのも、律の母親・和子(原田知世)が心臓に大きな病を抱え始めているからだ。もちろん、今の律には妻がいるわけだから、側で支えてくれる人間がいないわけではない。ただ、和子のことを幼い頃から知っているのは鈴愛の方であって、和子のことを「おばさん」と呼びつつも、鈴愛にとっては母親的な親しみを覚える存在なだけに、どのような形で鈴愛が支えていくのかが気になるところである。

 このように、お互いに困っていることがあった際には、支え合うという関係は2人の幼少期から続くものである。しばらく、鈴愛と律はお互いに顔を合わせない期間が続いていたが、鈴愛に関して言えば、この誰かを「支えたい」という思いは子供の頃以上のものになっている。涼次(間宮祥太朗)と出会って以降、それはとりわけ大きなものになった。ご存知のように、結局涼次との関係性は残念なものに終わってしまったが、それでも漫画家としての挫折、苦すぎる離婚を経た鈴愛は間違いなく人間的に成長した部分はある(相変わらず、子供っぽいところは依然残ってはいるけれど)。すれ違いが多く、時に誤解が生まれてしまうような2人の間柄であるが、今後も急転直下の展開が続いていくであろう本作で、どんな絆を見せてくれるのだろうか。

(文=國重駿平)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳/間宮祥太朗、斎藤工、嶋田久作、キムラ緑子、麻生祐未、山崎莉里那
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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