勝地涼、腹黒い演技で視聴者の心掴む 『ヒモメン』池目役で見せる企み顔

勝地涼、『ヒモメン』池目役で視聴者の心掴む

 池目の本性が現れるとき、勝地の表情がアップで映され、その表情には紫色のライトが照らされる。いわゆる「悪いことを考えている演出」だが、勝地は決して極端な表情の演技はしない。もちろん口元を歪めたり、目を細めたりといった悪い顔にはなるが、普段の池目と大差はない。だからこそ、彼が普段から自分の体裁のために立ち回っていることが伝わってくる。視聴者が垣間見ている本性は、きっと彼のほんの一部分に過ぎない。恐らく彼は、爽やかな笑顔を振りまいているときも、腹黒い台詞が胸の内で語られていることだろう。第1話で本性を曝け出して以降、どこか本性が滲み出て見えてしまうようになった池目。穏やかな表情を浮かべながら、視聴者にだけ本性を見せ続ける勝地の演技は見事だ。

 また、そんな池目が嫌われ役にならずに済むのは、池目の想いや行動が空回りすることにある。どんなにヒモとは対極なイケメンぶりを見せつけても、ゆり子の心は頑なに翔ちゃんから動かない。“天性の人たらし”である翔ちゃんに叶わない池目の悔しそうな表情が、視聴者の心を掴む。のびのびとヒモを演じる窪田とは対照的な演技を見せる勝地。毎回驚かされる翔ちゃんのヒモっぷりがこのドラマ一番の見どころだが、ゆり子を奪い合う翔ちゃんと池目の対決からも目が離せない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『ヒモメン』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15~深夜0:05放送
出演:窪田正孝、川口春奈、勝地涼、佐藤仁美、YOU、金田明夫、岡田結実、片瀬那奈
ゼネラルプロデューサー:横地郁英
プロデューサー:秋山貴人・河野美里
原作:鴻池剛『ヒモメン~ヒモ更生プログラム~』(MFコミックス フラッパーシリーズ/KADOKAWA刊)
脚本:森ハヤシほか
音楽:井筒昭雄
演出:片山修ほか
制作:テレビ朝日 
制作協力:ホリプロ
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/himomen/

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