6作連続50億円突破に向けて好発進 日本での『M:I』シリーズの驚くべき「高値安定」度

日本での『M:I』シリーズの「高値安定」度

 シリーズ最高傑作との前評判も高かった(個人的にはその評価には与しないが)今年の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』も、その高評価に違わぬスタートダッシュに成功。確かに今回、『コード・ブルー』に初登場1位を阻まれたかたちとなったが、実は3年前の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』も同日公開だった『ジュラシック・ワールド』の影に隠れて一度もトップに立つことなく、それでも累計51.4億円までこつこつと興収を積み上げていった。

 ちなみに、筆者は7月の最終週、日本よりも一足先に『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が公開された韓国ソウルの大型シネコンを訪れる機会があったのだが、全10スクリーン中8スクリーンで『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が同じ時間帯に上映されていた。その週の韓国での週末(3日間)動員数は230万4000人。同期間で比較すると日本の約4倍という、世界有数の映画鑑賞頻度の高さを誇る韓国の観客のパワーをまざまざと見せつけられる数字である。しかし、日本以外の国ではこれまでそれなりに浮き沈みがあった22年間に及ぶ『ミッション:インポッシブル』シリーズ。その忠誠度の高さでは、世界中のどこの国の観客よりも日本の観客が上であることは間違いない。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
全国公開中
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセットほか
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー
製作:J・J・エイブラムス、トム・クルーズ
配給:東和ピクチャーズ
(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
公式サイト:http://missionimpossible.jp/

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