竹野内豊の愛に溢れた土下座に涙 『義母と娘のブルース』は“家族とは何か”を問いかける

『ぎぼむす』は“家族とは何か”を問いかける

 このドラマは個の時代を生きる私たちにとって、家族とは何かを今一度問いかける物語だ。元キャリアウーマンの亜希子が家族をクライアント扱いするのは、家族といえどもそれぞれが持つ個人の尊厳があることを気づかせてくれる。子供相手でも敬語を使うなどビジネスライクな言動は、一見血の通わないサイボーグのように見えるが、その慎重な距離感の取り方は敬意を払っているからこその対応ともいえる。夫婦も、もともとは他人。血を分けた子供でさえも、異なる感情を抱く別の人間であるし、誰の所有物でもない。味方でいてくれること、理解しようとしてくれることは、決して当たり前ではない。それを受け入れるからこそ、尊重し合うことができるのだ。

 もしかしたら、奇跡とは不可能を可能にすることではなく、幸せに気づくことそのものなのかもしれない。同じものを守るべく共に闘ってくれる人、自分ができない部分をわかってくれる人、自分の得意な部分を「すごい」と認めてくれる人……そんな、人と巡り会える幸せに気づかせてくれる火曜の夜。そんなドラマに出会えたことも、ひとつの奇跡かもしれない。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
火曜ドラマ『義母と娘のブルース』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜23:07放送
出演:綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健、横溝菜帆、川村陽介、橋本真実、真凛、奥山佳恵、浅利陽介、浅野和之、麻生祐未
原作:『義母と娘のブルース』(ぶんか社刊)桜沢鈴
脚本:森下佳子
プロデュース:飯田和孝、大形美佑葵
演出:平川雄一朗、中前勇児
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/gibomusu_blues/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる