沢村一樹の不穏な表情は何を意味する？ 単なる勧善懲悪ドラマにならない『絶対零度』
通常の勧善懲悪ドラマであれば、小松原の罪が明るみとなり、早紀の溜飲も下がるというのが一般的な展開であろう。しかし、本作では罪が発覚しない代わりに、小松原には“事故死”という制裁が加えられる。事故死とは名ばかりで、何者かの手によって点検中のエレベーターに突き落とされたのだ。
このシーンに入る前、「お天道さまはちゃんと見ていると思うよ」と井沢の声があり、事故死の直後にはミハン総責任者・藤堂（伊藤淳史）の持つ危険人物リストにある「井沢範人」の名前が映し出される。小松原に手を下したのは井沢だと言わんばかりの展開であり、随所に挟まれていた井沢の不穏な表情がその思いにさらに拍車をかける。朝ドラ『ひよっこ』（NHK総合）など、“優男”が似合う沢村だからこそ、笑顔の裏にある何を考えているか分からない表情がその不気味さを膨らませている。果たして手を下したのは本当に井沢だったのか。今後、井沢が捜査の対象となるときが訪れるのか。失踪中の桜木泉（上戸彩）の真相とあわせて、謎は深まるばかりだ。
（文＝石井達也）
■放送情報
『絶対零度～未然犯罪潜入捜査～』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00～21:54放送
出演：沢村一樹、横山裕、本田翼、柄本時生、平田満、伊藤淳史、上戸彩（特別出演）
企画：稲葉直人
プロデューサー：永井麗子（共同テレビ）
脚本：浜田秀哉
演出：佐藤祐市
制作：フジテレビ、共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト：http://www.fujitv.co.jp/zettaireido/
