山崎賢人の“ぬくもり”が観る者の心をほぐす? 『グッド・ドクター』の注目ポイントを紹介

『グッド・ドクター』が描く小児外科の物語

 日本でサヴァン症候群の主人公が描かれた作品には、中居正広主演ドラマ『ATARU』(TBS系)がある。同作は、中居演じる“チョコザイ”の特殊能力を生かして事件を解決へと導くミステリードラマであったが、今作の主人公は医師。医師は病気を治すことだけでなく、同時に患者に寄り添う力が必要とされるから難しい。第1話でも障害があるというだけで偏見にさらされる場面が登場するが、「すべての子供を大人にしたい」という湊のまっすぐな姿勢は果たして否定すべきことなのだろうか。本当によい医師=グッド・ドクターとは何なのか。湊の透き通った瞳が尋ねるこの問いが、物語の最大のテーマとなっていく。

 湊の指導医である瀬戸夏美を演じる上野樹里は、2年半ぶりの連ドラ出演。湊を弟のようにかわいがる夏美は、湊にとって良き理解者であることはもちろん、湊に対する厳しい風当たりを柔らげる存在でもあり、視聴者の心の拠り所にもなりそう。一方、藤木直人演じる高山誠司は、湊を受け入れることを真っ向から拒否している小児外科のエース。第1話では湊を邪魔者扱いする高山だが、今後、湊と接することで変わっていく心模様に注目したい。ほかに、浜野謙太演じる看護師の橋口太郎も良い味を出している。浜野は『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)で演じたバンドマンのミータン役も記憶に新しいが、今作でも独特の存在感を放ち、また多くの人々の心を掴むことになりそうだ。

 『グッド・ドクター』は医療モノとはいえ、天才外科医の華麗な執刀や院内の派閥争いなどが物語の本質ではなく、ピュアな青年に周囲の人々が感化されていく様子を描く物語。山崎が渾身の演技で表現する湊の“ぬくもり”が観る者の心をほぐす、温かな木曜夜がいよいよ幕を開ける。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『グッド・ドクター』
7月12日(木)スタート フジテレビ系にて、毎週木曜22:00放送 ※初回15分拡大
出演:山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明 他
原作:『グッド・ドクター』(c)KBS(脚本:パク・ジェボム)
脚本:徳永友一、大北はるか
プロデュース: 藤野良太、金城綾香
協力プロデュース:西坂瑞城
演出: 金井紘、相沢秀幸
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/gooddoctor/

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