ワールドカップは4年に1度やってくる映画興行の敵?

W杯は4年に1度やってくる映画興行の敵?

 「日本中が熱狂に包まれた」などと言われがちな自国開催の2002年でさえ、『アイ・アム・サム』(6月8日公開。興収34.9億円。年間9位)、『模倣犯』(6月8日公開。興収16.1億円。年間29位)と映画館はそれなりに賑わっていた。また、同時期の公開作としては、ワールドカップを避けるのではなく、逆に便乗を狙ってワールドカップ開催直前に公開された『少林サッカー』(6月1日公開。興収28億円。年間13位)のサプライズ・ヒットも忘れられない。映画興行はそのくらいのヤマっ気があったほうがおもしろい。

 6月19日の初戦で強豪コロンビアを下すという番狂わせを演じた今年のロシア大会の日本代表。これで、少なくとも第3戦の6月28日ポーランド戦が消化試合になることはなくなった。場合によっては、7月2日か3日におこなわれる決勝トーナメント第1戦、はたまた7月6日か7日におこなわれる準々決勝まで……というのはいくらなんでもまだ気が早いが、ベスト16より上は前例がないだけに、映画関係者は気が気じゃないだろう。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『万引き家族』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
製作:フジテレビ、ギャガ、AOI Pro.
配給:ギャガ
(c)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
公式サイト:http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

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