晴と音、恋の行方のカギを握る? 『花のち晴れ』最強のお守り“ワシントン”の存在

『花晴れ』“ワシントン”は誰の手に?

 ところが第8話、思いがけないかたちで私たちは“金の豚”と再会する。彼女(仮)のめぐみが晴に抱きついた際、「なんか痛いなぁ」と晴がジャケットのポケットから、“金の豚”を取り出したのだ。それは、執事の小林(志賀廣太郎)が仕組んだこと。晴にとって大切なものだろうと、処分を命じられたが捨てずにとっておいたという。しかも「ワシントン」という愛おしき名前を付けて……。それからは、ことあるごとにワシントンを愛で、効果を信じ続けてきた晴。神楽木ホールディングスの息子としてめぐみと付き合うことを決めてからも尚、ワシントンは最強のお守りであり、音を重ねる特別な存在であることに変わりなかった。

 それが決定的となったのは、第9話。神楽木邸を訪れためぐみが「これ、もらってもいい?」とワシントンを手にした際、「ダメだ。そんなにほしいなら自分で買え」と大慌て。かたや、天馬に信じてもらえなかったことを落ち込む音に、「お前にはワシントンが必要だな」と切り出し、「とりあえず持っとけ。効果やべぇから」と“金の豚”を差し出す。めぐみには触れることさえ許さなかったワシントンを、さらりと音に手渡したことが、すべてを物語っていた。そして、別れ際に訪れたバックハグの悶絶シーンでは、音の手にこっそりワシントンが握られているという視聴者の胸を熱くさせる展開。音を包む晴の腕、添えられた音の手、そしてワシントン。ある意味、2人の気持ちが重なった瞬間ともいえるだろう。

 第10話では、晴への恋心とともに缶ケースに押し込められてしまったワシントン。それでも最後の最後には、2人を見守り続けてきたワシントンが『花より男子』(TBS系)でいう「土星のネックレス」同様、恋の行方を握るキーアイテムとして活躍してくれるに違いない。ちなみに筆者は「ワシントン=“仲良し”を意味する“和親”と“豚”」にかかっており、音と晴を繋ぐ恋のキューピットだと考えているのだが……果たして、どんな結末が待っているのだろうか。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『花のち晴れ~花男 Next Season~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:杉咲花、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえ、今田美桜、鈴木仁、中田圭祐、反町隆史、佐々木すみ江、デビット伊東、木南晴夏、堀内敬子、テット・ワダ、志賀廣太郎、高岡早紀、滝藤賢一、菊池桃子
原作:神尾葉子『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:大間々昂
主題歌:「シンデレラガール」/ King & Prince(Johnnys’ Universe)
プロデュース:瀬戸口克陽
協力プロデュース:齊藤彩奈
演出:石井康晴、坪井敏雄、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hana_hare/

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