古畑星夏の“悪役”ぶりが話題に 『半分、青い。』すれ違っていく鈴愛と律

『半分、青い。』古畑星夏の“悪役”ぶり

 鈴愛と清が初めて顔を合わせるおもかげでは、「ここ、ケチャップついてるわよ」と清が先手を打つ。鈴愛が自分を描いた絵に対しても、「ううん。上手だったわよ」と答えることで、自身が上であることに加え、律に絵を見せてもらった、つまり部屋に上がったということを直感的に悟らせている。そして、最大の山場である律の部屋での口論。ベランダから鈴愛と裕子(清野菜名)に向かって「どうぞ上がって。玄関開けるから」と、あたかも自分の家のように話す清の態度は、裕子が同棲しているのか思わず聞いてしまうのも無理はない。

 「律に私の知らない時間があるのが嫌なの。それは過去でも」と深い独占欲を誇示して見せる清は、梟会の写真を剥がそうとする。その行動に鈴愛の思いはついに爆発する。「律が悲しがるからやめて!」「消えろよ!」「なんで律にまでマニキュア塗るの! 気持ち悪い!」「律を返せ! 律は私のものだ! 生まれたときから律は私といたんだ! 律を返せ!」。清に突き飛ばされた鈴愛は、勢い余って自らの手で梟会の写真を破いてしまう。「自分で破ってる。オウンゴールだ」。間、間に挟まれる清の高らかな笑い声も不気味さを増幅させており、演じる古畑星夏も番組公式サイトでのインタビューで答えている通りに、一言で例えるならば“悪役”。鈴愛を見下すその姿には、恐怖すら覚える。

 律が戻り、鈴愛が家を出て行くとき、本来の目的である「律……お誕生日おめでとう」を言ったのは、せめてものプライドだろう。第10週は、鈴愛に律から電話がかかってくるところで終了となるが、一つだけ持ちきりの伏線がある。それは、鈴愛が短冊に書いた願いごとだ。「~トを~ように!! スズメ」という文字、そしてボクテ(志尊淳)が見せた困惑の表情が意味するものとは……。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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