林遣都、『おっさんずラブ』で役者としての実力を遺憾なく発揮 主演デビューから10年の変化を辿る

林遣都、主演デビューから10年の変化

 多くのファンが泥沼のようにハマった話題作も、ついに最終回を迎える。前回第6話では、田中演じる春田とともに、実家に挨拶に行くまでの仲に発展しながら、ラストには春田と吉田演じる黒澤が同棲しているという衝撃の急展開で、視聴者を大混乱の渦へと投げ落とした。

 第1話での「先輩が巨乳好きなのは知っています。でも……」につづく爆弾級のセリフをはじめとする、直球の想い、その一方で、わずかな表情の変化で伝える牧の心情、そして良きドラマには必ず必要なルールである“セリフは嘘を付く”を見事に表した、第6回終盤での「春田さんのことなんか、好きじゃない!」の切なさ。

 林も気が付けば20代後半。10代のころのストイックな肉体を通じた役作りから、人間ドラマでの繊細さ、R指定作品、そしておっさん同士の恋愛など、さまざまな作品、役柄を通じて変化を遂げてきたが、振り返ると、彼自身の佇まいから醸し出される品の良さが一貫しているのが、林の強みだ。この先も役者としての変化を続けながら、品の良さをベースに、どんなジャンルで、どんな顔を見せてくれるのか、楽しみで仕方ない。

 そしてまずは、視聴者お待ちかねの『おっさんずラブ』最終回。オリジナルストーリーのため、どんな最後が待つのかは、予想ができない。牧に、皆に、幸あれ。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■放送情報
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15〜放送
出演:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ) 、松野千鶴子(アズバーズ)
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/

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