冒頭からイメージを払拭 映画『恋は雨上がりのように』から感じた原作&アニメ版との大きな違い

『恋雨』原作 &アニメ版との違い

 ストーリー面では、陸上にまつわるエピソードがアニメ版よりも尺を取って描かれていた。だからこそ、冒頭に印象的な“猛ダッシュシーン”を持ってきたのだろう。そのため、恋愛要素以外の“夢”や、それに向かう“希望”を、アニメ版よりもより強く感じられた。アニメ版と比較して、「雨降って地固まる」までが、しっかりと描き込まれていたのだ。

 思春期の恋は、多くが儚いものかもしれない。だが、その原動力となる若さ特有の莫大なエネルギーは、むしろそういった“儚さ”とは対極にあるものだ。表裏一体の“儚さ”と“力強さ”。実写版『恋雨』では、後者によりスポットが当てられていたといえる。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

■公開情報
『恋は雨上がりのように』
全国東宝系にて公開中
原作:眉月じゅん『恋は雨上がりのように』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載)
監督:永井聡
脚本:坂口理子
出演:小松菜奈、大泉洋、清野菜名、磯村勇斗、葉山奨之、松本穂香、山本舞香、濱田マリ、戸次重幸、吉田羊
配給:東宝
(c)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (c)2014 眉月じゅん/小学館
公式サイト:http://koiame-movie.com/

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