6年連続最高記録更新の『コナン』 興収80億を射程に収め年間1位の可能性も!?

『ゼロの執行人』年間1位の可能性も!?

 昨年度の年間1位は『美女と野獣』の124億円だが、2位になると『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の73.4億円とガクッと数字が下がる。つまり、今後興収100億円クラスのメガヒット作品が現れない限り、『名探偵コナン』シリーズにとって初となる通年での年間1位も視野に入ってくる。今後公開される強力な作品というと、まず6月30日公開の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』があるが、スピンオフ作品がメインシリーズ最新作『最後のジェダイ』の75億円を超えるとは考えにくい。夏以降には前作が95.3億円を記録した『ジュラシック・ワールド/炎の王国』や、細田守監督の新作『未来のミライ』や、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』なども控えているが、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』以外は興収80億円突破をこの段階で予想できるような作品ではない。ちなみに、他にもヒット・ポテンシャルの高い作品として11月23日公開の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』があるが、これは日本興行界の慣例で集計では来年度扱いとなる。もちろん、2016年の『君の名は。』のように事前には誰も予想できなかった国民的ヒット作品が生まれる可能性もあるだろうし、映画興行界にとってはそうした作品が待たれるところだが、『ゼロの執行人』が年間1位に輝く可能性は十分にある。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『名探偵コナン ゼロの執行人』
全国東宝系にてロードショー中
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹、林原めぐみ、上戸彩、博多大吉
原作:青山剛昌
監督:立川譲 
脚本:櫻井武晴 
音楽:大野克夫
(c)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
公式サイト:http://www.conan-movie.jp/

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