初登場2位『レディ・プレイヤー1』 スピルバーグとワーナーのタッグが「あのシーン」を実現?

『レディ・プレイヤー1』某シーン実現の背景

 『名探偵コナン ゼロの執行人』の勢いが止まらない。前週、金曜日の公開日からの3日間で動員128万9000人、興収16億7000万円を記録した同作は、先週末の土日2日間も動員62万人、興収8億2000万円という圧倒的な強さで動員ランキング1位を独走。公開日から10日間で動員247万人、興収32億円を突破し、昨年累計興収68.9億円を記録して年間興収ランキング4位だった前作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』超えはほぼ確実。現在のところ今年の興収ランキング1位の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』をもその射程に収めつつある。

 今回注目したいのは、土日2日間で動員21万5000人、興収3億6800万円をあげて週末の動員ランキング2位となったスティーヴン・スピルバーグ監督の新作『レディ・プレイヤー1』。金曜日の公開日からの3日間で動員28万2618人、興収4億7441万3200円という数字は、先月30日に公開されて公開3日間で興収1億7082万7900円をあげた『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の278%という数字。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』も近年のスピルバーグ作品の中でも屈指の傑作だったが、VFX満載のエンターテインメント大作と大人向けの実話ベースの社会派ドラマという作品の性質上の違いが、数字としてそのまま出たかたちだ。

 もっとも、ここ数年のスピルバーグ作品において顕著なのは、海外、日本を問わず、その「VFX満載のエンターテインメント大作」でさえも不発であったことだ。作品でいうと、最後に日本で興収50億円を超えたのはちょうど10年前の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(興収57.1億)。「スピルバーグの新作」というよりも「超人気シリーズ19年ぶりの新作」という意味合いが強かった同作を除くと、その前は13年前の『宇宙戦争』(興収60億円)ということになる。

 スピルバーグ作品の日本における商業的価値の低下だけでなく、そもそも外国映画の大ヒットの基準も近年では随分と下がって、興収20億円を超えれば十分に「大ヒット」と言える時代になってしまった。興味深いのは、今回久々にその20億超える可能性(その数字でさえ『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以降のスピルバーグ作品は1作も達成してない)が出てきた『レディ・プレイヤー1』がワーナーの配給作品であることだ。

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