『ペンタゴン・ペーパーズ』初登場5位 スピルバーグ・ブランドは復活するか?

スピルバーグ・ブランドは復活するか?

 『ペンタゴン・ペーパーズ』が「次作の撮影スケジュールを急遽変更して」撮られた作品であることは前述した通りだが、その「次作」にあたるSF作品『レディ・プレイヤー1』が先週末に世界各国で公開されて(日本公開は4月20日)、スピルバーグ作品としては久々の超特大ヒットを記録している。機動戦士ガンダムやAKIRAを筆頭に日本発のネタも豊富に盛り込まれていることもあって、日本での興行にも高い期待が寄せられている同作。今月から撮影に入る、2020年7月10日公開予定(日本での公開日は未定)の次作『インディ・ジョーンズ5(仮題)』を前にして、世界的には「ヒットメイカー」としてのスピルバーグの大復活となったわけだが、日本でも同じような軌跡を描くことができるか? まずは、傑作『ペンタゴン・ペーパーズ』のリアル・ワールドを劇場で味わって、その上で『レディ・プレイヤー1』のバーチャル・ワールドを体験して、この稀代の映画作家の懐の深さと本当の凄さを実感してもらいたい。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
全国公開中
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:エイミー・パスカル、スティーヴン・スピルバーグ、クリスティ・マコスコ・クリーガー
脚本:リズ・ハンナ、ジョシュ・シンガー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、アリソン・ブリー、ブルース・グリーンウッド、マシュー・リスほか
配給:東宝東和
原題:『The Post』
(c)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.
公式サイト:http://pentagonpapers-movie.jp/

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