脚本家・野木亜紀子は“今”を観察する解剖医だ 2018年を切り取った『アンナチュラル』のすごみ

脚本家・野木亜紀子のすごみ

 主題歌の「Lemon」を歌う米津玄師は、先の野木とのラジオ対談で「自分の体験を別の言葉に変換して表現することによって普遍的になる」と語った。「Lemon」は直前に実の祖父が亡くなったことを受けて、完成した楽曲。演出の塚原あゆ子は番組公式サイトのインタビューで「プロデューサー陣も野木さんも私も、しゃべっていると話題がけっこう今の社会問題になるんですよ。それで、今自分たちにできることがあるんじゃないかってなって」と語った。つまるところリアルの中からしか、エンタメは生まれない。そのエンタメが、誰かのリアルを生きる糧になる。2018年という時代を切り取りながら、「なぜ生きるのか」という永遠に答えの出ない普遍的な問いに向き合う『アンナチュラル』。リアルを生き抜くための希望となるこのドラマが、一生続いてくれたらいいのに。そう思っているのは、きっと筆者だけでなないはずだ。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
金曜ドラマ『アンナチュラル』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜
出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海(超特急)、飯尾和樹(ずん)、北村有起哉、大倉孝二、薬師丸ひろ子(特別出演)、松重豊ほか
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:新井順子(ドリマックス・テレビジョン)、植田博樹
演出:塚原あゆ子(ドリマックス・テレビジョン)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/unnatural2018/

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